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楽天は7月好調も「チーム事情に余裕はない」と山﨑武司は分析 石井一久監督には「開幕からやれよ」と思うことも (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by Sankei Visual

 個人的には、石井一久監督の"変化"も目についている。シーズン序盤はあまり感情を表に出さなかったけど、今はだいぶ喜怒哀楽の表現が強まってきたと感じる。やっぱり選手からすると、監督の表情は気になるし、絶対に今のほうがいい。ただ、「それなら開幕からやれよ」と思うこともあるんですが(笑)。

 CS進出が狙えるか、と言われると、決して届かないことはないと思う。ただし、他チームが落ちてくることに加えて、もう一度大型連勝する、という条件つきですが。

 3.5ゲーム差というのは、2勝1敗ベースで勝ちを拾っていっても、なかなか追いつくのがしんどい数字。だから自チームだけではなく、他力本願な部分も必要。誰もソフトバンクがここまで連敗するとも、イーグルスが連勝するとも思ってなかったはず。だからこそ大型連勝は勢いがつくし、投手陣の疲れが出てくる夏から秋にかけて前半戦と同じことができるのか。ここが後半のひとつのポイントでしょう。

 今のパ・リーグを見ると、戦力的にはオリックス、ソフトバンクが抜けている。そこにロッテや楽天が絡んでくる力関係ですが、ロッテも厳しい部分があるし、何かのキッカケで落ちてくる可能性はある。決して打てるチームではないから、投手陣が無理しながら、という面が強いと見ているので。

 結局、楽天が上にいくためにはロースコアゲームを勝っていくしかない。そのためには、どうしても投手陣の頑張りが必要になってくるから、いかに先発投手が試合を作れるかに左右される部分が大きいと思いますね。

【プロフィール】

山﨑武司(やまさき・たけし)

1968年11月7日、愛知県生まれ。86年ドラフトで中日から2位指名を受けて入団。96年、39本塁打を放ち初の本塁打王を獲得。02年オフ、平井正史とのトレードでオリックスに移籍。04年に戦力外通告を受けるも現役続行を決意し、新規参入の楽天に移籍。07年には43本塁打、108打点で二冠王に輝く。11年に楽天を戦力外となるも、中日と契約。13年に現役引退後は、解説者など活躍の場を広げている。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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