山﨑武司が挙げたセ・パのホームラン王争いの「本命」は? 全体的にホームランが少ない理由も語った

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by Sankei Visual

 今季のセ・パ両リーグは、ホームランの少なさが目立っている。そして、かなり上位陣が接戦になっている点も特徴的だ。

 7月25日時点(数字は以下同)で、セ・リーグはトップの岡本和真(巨人)が21本、村上宗隆(ヤクルト)が17本、牧秀悟(DeNA)が16本。パ・リーグはトップの浅村栄斗(楽天)が20本、万波中正(日本ハム)が15本、柳田悠岐(ソフトバンク)が14本と続く。今シーズンのホームラン王争いの行方は果たしてどうなるのか。現役時代、中日と楽天で本塁打王のタイトルを獲得した山﨑武司氏に占ってもらった。

現在、セ・パのホームラン数トップの巨人・岡本(左)と楽天・浅村現在、セ・パのホームラン数トップの巨人・岡本(左)と楽天・浅村この記事に関連する写真を見る***

 まず、セ・パに共通しているホームランの少なさは、投手のレベルの高さが原因のひとつになっていることは間違いない。先発だけではなく、各チームとも後を任されている投手の質も上がっているので、そこが最大の理由かな。ホームランだけではなく、3割打者も両リーグでわずかしかいない、ということからもそれは明らかでしょう。

 あとは、ホームラン争いをするようなレベルの外国人助っ人がいなくなったことも大きな要素。ただ、いくら投手のレベルが高いとはいえ、今の数字は少し寂しいものがあるとも感じる。

【セ・リーグ】

 今は岡本がリードしているけど、タイトル争いは村上、牧の3人が頭ひとつずつ抜けていると思う。3人はホーム球場がホームランが出やすいというアドバンテージがあり、これもかなり大きい。その中でも本命は村上。後半戦は数字を伸ばしてくるはず。

 正直、今季の村上は調子がずっとよくない。少しずつ数字は整えてきているけど、調子が上がってるようには見えないね。不調の原因は、アウトコースの速いボールを弾き返すことができてないこと。腰の開きが早く、体が前に突っ込んでいるから捕まえられない。今季はずっとこの感じなのかな、というふうにも映ります。それでも、開き直って打率を捨てて、打点とホームランを打つことに切り替えれば、やはり村上が筆頭候補であり一気に行きそうな気もする。

 岡本は毎年30本を打ってくれる選手で、今季も安定しているね。調子も「めちゃくちゃいい」という感じではないけど、悪くはないのかな。今年は彼にもチャンスがあるはず。前半戦で4本差がついていた、という数字面でのアドバンテージも大きい。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る