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山﨑武司が挙げたセ・パのホームラン王争いの「本命」は? 全体的にホームランが少ない理由も語った (2ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by Sankei Visual

 牧はバランスが非常によくて、バットコントロールに長けている選手。それでも、本質的にはホームランバッターではなくて、中距離バッターだと思う。今季のバッティングを見ていても、本人も「こんなにホームランを打てるのか」と驚いている面もあるんじゃないかな。

 そういう意味では、チームメイトの宮崎敏郎とタイプが近いね。ただ、宮崎の場合はあれだけの率を残している。率を意識すると強く振ることは減ってくるので、そこまでホームランの数は伸びないと個人的には考えています(現在は13本でリーグ5位)。いずれにしろ、この3人を追いかけてくるような選手は見当たらない、というのが現状でしょう。

 阪神の大山悠輔(11本/8位タイ)も20本打てるバッターだけど、ホーム球場が甲子園だと、爆発的に数字を伸ばすことは難しい。中日の細川成也(12本/6位タイ)もバンテリンドームだと厳しいね。細川の場合は、前半戦の後半で明らかにバッティングの調子を崩していたのも気になります。他の選手は軒並み中距離バッターという印象で、村上や岡本を脅かすというところまではいかないと思う。結局、村上が開き直っちゃったら一番強いんじゃないかな。

 他で気になっているのが、阪神の佐藤輝明(10本/11位タイ)。彼はね、やっぱりホームランバッターですよ。調子の波が激しく、批判にさらされることもあるけど、オールスター前の中日戦で涌井秀章から右中間に打ったホームランなんかを見ると、やっぱり可能性も感じるし、魅力的だね。"飛ばす"ということに関しては、天性のものをもっている。

 あと、若手では巨人の秋広優人(10本/11位タイ)と中日の石川昂弥(10本/11位タイ)。

 秋広は打撃練習を見ていると、すごい打球を飛ばしているけど、試合になるとどうしてもスイングが小さくなってしまう。まだまだ体ができていないから、体ができて下半身が安定してきたら全然違ってくると思う。ただ、シーズン前に考えていたよりも、すごくいいバッターですね。石川も苦しみながら調子を上げてきて、今の感じだと20本を打つ可能性も出てきた。ポテンシャル的にはもっとやれる選手ですし、ようやくその片鱗を見せつつあるな、と感じます。

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