山﨑武司が挙げたセ・パのホームラン王争いの「本命」は? 全体的にホームランが少ない理由も語った (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by Sankei Visual

【パ・リーグ】

 パ・リーグは、毎年ホームラン王争いをしていた西武の山川穂高が不祥事で試合に出なくなり、オリックスの杉本裕太郎(11本/8位タイ)も怪我で離脱が長かった。

 今季に関しては、浅村が本命じゃないかな。浅村は技術的にどうこう、というレベルの選手ではなくて、怪我や体の状態で成績が変わってくる。今年はかなり体調がよさそうに見えるね。大型契約を結んだ1年目で、気合も入っている。彼に関しては体調がよければこれくらいはやるので、高いレベルで安定しているから安心して見ていられる。

 本命に近い次点では、やはりギータ(柳田悠岐)。ギータは全盛期は過ぎたけど、そこからモデルチェンジをして、今はバッティングを変えていっている段階に見える。ただ、あれだけの数字を残してきた選手で、ホームランを打てるスイングなので、怪我がなければ毎年上位にはくる。今年もそう。結局ね、ホームラン王争いって"常連さん"が来るから。

 それでも今年は、セ・リーグ以上にパ・リーグはもつれそうに見えるけどね。

 今年プチブレイクしつつある万波は、もともと思い切りのよさが目立っていた。身体能力も高いしね。安定感という意味では、今季もまだまだかな。得点圏打率が.221で、四球がわずか20で出塁率は.313。この数字は、彼がいかに早いカウントでストレートを狙い撃ちしているか、ということの現れだと思う。

 フォークやスライダーの対応を見るとまだまだだし、もっと四球を選べるようになってくると、ホームランだけではなくてすべての数字が伸びていく可能性も秘めた選手。個人的には、万波はもっともっと三振もしていいと思います。可能性は感じますが、現状では課題のほうが多いかな。

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