山﨑武司が挙げたセ・パのホームラン王争いの「本命」は? 全体的にホームランが少ない理由も語った (4ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • photo by Sankei Visual

 意外だったのが、12本で4位タイにつけている近藤健介。あれだけの年俸で入団すると、「打撃3部門すべてでいい成績を残したい」という意思も伝わってくるね。彼は(確実性を重視した)シュアなバッティングが持ち味だけど、今年は大きいのも狙いにいっているスイングが時折見られる。やはりチームが変わり、求められる役割が変わるとバッティングも変わるし、数字も整えにいっているんじゃないかな。

 もうひとり、オリックスの頓宮裕真(11本/8位タイ)の活躍には少し驚いた。シーズン前はまったくノーマークだったけど、リーグトップの打率(.312)に本塁打も11本。十分すぎる活躍ですよ。

 彼は「ヒットの延長線上がホームラン」というタイプで、そんなに大きいスイングはしない。本質的には中距離バッターで、本塁打が何本というよりも、打率を3割で終わるということをより重視しているようにも映る。いずれにしろ、首位のオリックスを牽引する活躍ですし、なかなか立派なもんだな、と思います。後半戦も楽しみです。

【プロフィール】

山﨑武司(やまさき・たけし)

1968年11月7日、愛知県生まれ。86年ドラフトで中日から2位指名を受けて入団。96年、39本塁打を放ち初の本塁打王を獲得。02年オフ、平井正史とのトレードでオリックスに移籍。04年に戦力外通告を受けるも現役続行を決意し、新規参入の楽天に移籍。07年には43本塁打、108打点で二冠王に輝く。11年に楽天を戦力外となるも、中日と契約。13年に現役引退後は、解説者など活躍の場を広げている。

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