検索

【高校野球】新基準バット導入から2年 大谷翔平や佐々木朗希を攻略した盛岡大附の指揮官が出した答え

  • 田口元義●文 text by Genki Taguchi

 気温が氷点下に達しそうな真冬であっても、盛岡大附(岩手)はフリーバッティングを行なう。無論、オフシーズンの定番メニューであるフィジカル強化にも余念がない。

 それほど、冬場におけるこのチームの土台づくりは徹底されている。

強打の盛岡大附を率いる関口清治監督 photo by Genki Taguchi強打の盛岡大附を率いる関口清治監督 photo by Genki Taguchiこの記事に関連する写真を見る

【ホームランを生むための肉体づくり】

 フリーバッティングが行なわれているケージの後方、グラウンドの位置でいうバックネットエリアに、ベンチプレスなどのウエイト器具が設えてある。ボールを打ち込む40〜50分の間、順番待ちする選手たちがウエイトトレーニングに励むためだ。

「筋トレの時間をつくることが難しいので効率がいいんです。バッティングをしている間に、ベンチプレスだけでも200回はできますから」

 監督の関口清治が定めるメニューには、明確なノルマが存在する。

 ベンチプレスの重量であれば「身長--100+30キロ」。180センチなら110キロが最低ラインに設定されているのだという。

 関口が解説する。

「そのくらいじゃないと『ホームランはあり得ないよ』『レギュラーにはなれないよ』と、選手にハッパをかけているんです。線が細かったり、筋量が少なかったりする選手にいくら技術的な部分で頑張らせても、ホームランを打つとなると限界があると思います。そういう部分でも、冬の時期はとにかく振る力と筋力を付けさせます。変化球を打つ練習とかの技術的な要素を吸収させるのは、実戦が始まる春からでも遅くはないと思うので」

 盛岡大附と言えば、2012年夏の岩手大会準決勝で、当時の高校生最速となる160キロをマークした花巻東の大谷翔平(現・ドジャース)から5点を奪うなど強打のイメージが強い。

 このあたりから攻撃的なチームを構築していく盛岡大附は、17年に春夏連続で甲子園ベスト8に進出。18年秋には大船渡の剛腕、佐々木朗希(現・ドジャース)から大量7点を奪った。記憶に新しいのが21年の夏だ。スタメン9人の合計通算ホームラン数が280本と、桁外れのパワーヒッターが名を連ねていたことから「マッスル軍団」と話題にされた。

1 / 5

著者プロフィール

  • 田口元義

    田口元義 (たぐち・げんき)

    1977年、福島県出身。元高校球児(3年間補欠)。雑誌編集者を経て、2003年からフリーライターとして活動する。雑誌やウェブサイトを中心に寄稿。著書に「負けてみろ。 聖光学院と斎藤智也の高校野球」(秀和システム刊)がある。

フォトギャラリーを見る

キーワード

このページのトップに戻る