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【高校野球】新基準バット導入から2年 大谷翔平や佐々木朗希を攻略した盛岡大附の指揮官が出した答え (3ページ目)

  • 田口元義●文 text by Genki Taguchi

 そう述べたうえで関口は、新基準バットが導入されてから「しばらく、野球が変わるかもしれません」と予言していた。といっても、それは高校野球の現場を知る者ならば、誰でも想像がつくことでもあった。

 バントや走塁などの小技を駆使した、守備型の傾向が強まるということだ。

 関口の見解を思い出す。

「だから、機動力を多く使ってきたり、ピッチャーの特性を生かしたり。内野と外野のポジショニングを細かく指示するようなチームも増えてくるんじゃないかと」

 実際に甲子園だけで言えば、早稲田実や横浜などが外野手のひとりを内野に移動させる「内野5人シフト」を敢行。25年のセンバツで初出場ながらベスト4と、旋風を巻き起こした浦和実のエース・石戸颯汰は、変則フォームでバッターの打ち気を逸らし、力のない打球の量産を実現させた。

【盛岡大附が掲げる強打の矜持】

 このように"飛ばないバット"によって野球が変革を遂げるなか、盛岡大附も「右にならえ」だったのかと言えばそうではない。

 そう、彼らは強打にこだわるのだ。関口がつくり上げてきた矜持を打ち出していた。

「ウチには『打つ野球』を目指して入ってきてくれた子が多いので、バットが変わるから『機動力を前面に出していくぞ』と、監督の自分が言うわけにはいきませんよね。今は吸収力のある選手が多いんで、数年後には必ず対応してくれるはずなんです。だからこそ、うちは今のスタイルを貫くべきだし、本当の意味で打てるチームをつくることができれば一気に抜けていくような手応えもあります」

 新基準バットが導入されてからの2年間、盛岡大附は順応に努めてきた。

 例年ならば、秋季大会が終わってからは木製や竹バットに切り替えていた。さらには「バットを振りきる動作を体にしみ込ませる」と、グリップが太く重量1300グラムもある丸太のようなバットを用いてのバッティング練習にも励んできた。それが、本格的に雪が積もる時期に入るまでは新基準バットでボールを打ち込むようになったのだという。

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