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DeNA25年ぶりの優勝へ、高木豊が挙げた後半戦のキーマンは? 不安要素は「選手の経験不足」 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

【DeNAは「経験のなさ」をどう乗り切るか】

――そんなライバルたちに競り勝ち、DeNAが優勝するためのキーマンは?

高木 先発の(トレバー・)バウアーです。バウアーが中4日で回って、それなりの勝ち星を挙げること。ただ、中4日で回るリスクは、他のピッチャーが中5日や中6日になったり、1回飛ばされたり、リズムが崩れることです。そのあたりの調整をうまくできるかどうか。みんなが中4日だったらいいですけど、急にそうするのは無理です。

 優勝するためには、(先発陣みんな)中4日をやってみるのもありかなとは思いますけどね。「先発は100球前後で絶対に交代させる」といったことを条件にしなければいけませんが。または、今永に合わせてバウアーを中6日にするのもひとつの考え方です。

――野手のキーマンは?

高木 宮﨑です。34歳という年齢やこれからの暑さを考えると、休ませながらの起用になると思いますが、宮﨑がゴールまで持つか持たないかは重要です。牧は若いし"頑張り屋"なので大丈夫だと思いますが、宮﨑に関しては「なんとか最後まで持ちこたえてくれ」と祈る思いです。

――阪神、広島、巨人も含む四つ巴の戦いはしばらく続いていく?

高木 そうですね。ただ、この中で一番"経験"がないのがDeNAです。競り合いによる独特の疲れにも慣れていない。一時期は首位に立っていましたが、阪神に抜かれ、その後に1回はひっくり返したけど、またダメになりました。

 6月末ぐらいからチーム全体に疲れが見え始め、それが抜けていないんですけど、それはやっぱり経験なんです。上で争うしんどさは、普通の疲れと違うということを感じていると思います。それをシーズンの最後までやり通さなきゃいけないのですが、そこは他の3チームに分があると思います。

 阪神はしばらく優勝争いをしていないけど、4年間Aクラスを死守しているのと、2005年にチームをリーグ優勝に導いた岡田監督の存在が大きい。広島は3連覇(2016~2018年)を経験した菊池や田中広輔、松山竜平、大瀬良大地、野村祐輔らがいて、巨人は原監督をはじめ、多くの選手が優勝を経験しています。

 ただ、そういった懸念点はあるものの、投打とも戦力的には充実しています。25年ぶりのリーグ優勝を目指して頑張ってほしいです。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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