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【F1】ホンダだけが悪いのか? マシンの振動問題にニューウェイは「被害者」と言わんばかりの口ぶり

  • 米家峰起●取材・文 text by Mineoki Yoneya

 2026年の開幕を目前に控えたオーストラリアGPの木曜朝、アストンマーティンのメディアセッションが行なわれた。

 マネージングテクニカルパートナーのエイドリアン・ニューウェイと、HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長が並んで座り、記者たちの質問に答えていく。

 その会が中盤に差しかかった頃、ニューウェイが突然、語り始めた。

「残念ながらコウジ(渡辺社長)とこの会見の前にきちんと話す機会がなかったが、フェルナンド(・アロンソ)は手の神経に回復不能なダメージを負うリスクがあり、25周以上連続で走行できないと感じている。ランス(・ストロール)は15周以上は走れないと言っている。この振動問題の根本を突き止め根本的に改善できるまで、走行周回数についてかなり制限を設けざるを得ないということだ」

フリー走行1回目はほぼ走らずに終わったアストンマーティン photo by BOOZYフリー走行1回目はほぼ走らずに終わったアストンマーティン photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る ホンダとしては、バーレーン合同テストで走行時の想定外の振動によって発生したバッテリーシステム系へのダメージを軽減すべく、HRC Sakuraでベンチテストを重ね、「現状で最も効果的と思われる対策」(渡辺社長)をメルボルンに持ち込んできた。

 渡辺社長は「実際にサーキットを走ってみるまでは、これが完璧な対策かどうかは保証できない」と慎重な姿勢を見せたが、ニューウェイは「バッテリーに与える振動を大幅に削減することに成功している」と語った。

「しかし忘れてはならないのは、ICE(内燃機関エンジン)とMGU-K(運動エネルギー回生システム)の組み合わせであるパワーユニット自体が振動の発生源であり、増進させる存在であるということだ。車体はその振動を受ける側だ。

 カーボンモノコックは剛性が高いが、その代わり(振動の)減衰力は弱い。だから車体への振動の伝達はまだ一切減らせていないし、それがミラーやテールライトの脱落といった信頼性の問題を引き起こしていることは理解しておく必要がある。そしてもっと大きな問題は、ドライバーの手にもその振動が伝わっているということだ」(ニューウェイ)

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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