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【F1】ホンダだけが悪いのか? マシンの振動問題にニューウェイは「被害者」と言わんばかりの口ぶり (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Mineoki Yoneya

【マシンパッケージの責任者は?】

 それに続いて飛び出したのが、冒頭のドライバーの身体に及ぼす懸念についての発言だった。

 振動の発生源がICEおよびMGU-Kであることは当然で、問題はベンチテストつまりパワーユニット単体では問題にならないレベルの振動が車体と一体となり、サーキットを走るとバッテリーや車体全体に大きな振動となって影響を及ぼしているという事実だ。それはつまり「振動」というよりは、複雑なパーツが組み合わさって生じる「共振」である。

 よってパワーユニットだけで解決できることではなく、車体側にも対策が求められることだ。だからこそHRC Sakuraにはアストンマーティンから5名のエンジニアがやって来て、ともに対策を模索してきたのだ。

 しかしニューウェイは、振動はパワーユニット側が解決すべきことであり、車体側は被害者と言わんばかりの口ぶりだった。ニューウェイの口から「車体側」「パワーユニット側」という言葉が何度も出た。

 現状でホンダのパワーユニットの信頼性のみならず、出力とエネルギーマネジメントがライバルメーカーよりも劣っていることは確かだろう。車体側も、高速コーナーはトップチームに比べて10km/h以上遅く、ダウンシフトの不調のせいでハードブレーキング時のスタビリティもない。

 どちらがいいとか悪いではなく、「マシンパッケージ」として完成度が最悪なのは誰の目にも明らかだ。そのマシンパッケージを作りあげる責任者はエイドリアン・ニューウェイ以外に存在しないはずだ。

 そのニューウェイが「車体側」「パワーユニット側」という言葉を口にすること自体が、信じられない状況だ。

 マシンパッケージ全体をまとめ上げ、競争力を発揮させるのがニューウェイの仕事ではないのか? そうでないのだとすれば、アストンマーティンにはマシンパッケージを作りあげる人物が存在しないということになる。これではワークスチームとして成功するわけがない。

 少なくとも、仮に原因がパワーユニットにあろうと、それを表に向けて言う必要などまったくなかったはずだ。ニューウェイがマシンパッケージの責任者なのであれば。

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