サッカー日本代表の「ワールドカップ優勝宣言」に、イングランドのトゥヘル監督の答えは「夢を持つのは大事だ。実現するかどうかはともかく」
「日本のフットボールチームも、日本の文化も好きだ。明日、日本代表と対戦することを光栄に思っている」
フットボールの聖地ウェンブリー・スタジアムで日本がイングランドを1-0で下した前日の記者会見で、ホームチームを率いるトーマス・トゥヘル監督はそう話した。現在52歳のドイツ人指揮官は続ける。
敵地の聖地ウェンブリーでイングランドに勝利した日本 photo by Miki Sanoこの記事に関連する写真を見る「日本は実にクオリティの高いチームで、すごくいい練習を重ねている。流動性が高く、ポジションを頻繁に変え、ポゼッションも巧みだ。
5バック、2ボランチ、3トップのシステムは、自分もよく使ってきた。試合をコントロールしやすく、相手からすれば、プレスをかけにくいフォーメーションだ。知的にハードワークしなければ、やられてしまうだろう。なぜなら、日本には俊敏で仕事量の多い選手がたくさんいるからだ。
(3日前の)スコットランド戦(1-0)も、(昨年10月の)ブラジル戦(3-2)も、(昨年9月の)メキシコ戦(0-0)も見た。どの試合でも、似たような攻撃のパターンを使っている。
スコットランド戦のゴールも練り上げられた形だったと思う。ウイングバックからサイドを変えたり、ふたりのナンバー10に当ててスピードアップしたり、素早く切り替えて逆襲に転じたり。それらが日本のカギだと思う」
日本のキープレーヤーのひとり、三笘薫(ブライトン)について質問された時、饒舌な戦術家は次のように応じた。
「彼はナンバー10のポジションで先発するだろう。ドリブルやターンがうまく、アクセルはパワフルなので、チームで対応するしかない。あるいは、彼へのパスの出所を止めるのが最善策かもしれない。全体で的確にプレスをかけていきたい」
ところが会見翌日の試合では、逆に三笘が20分すぎに中盤でコール・パーマー(チェルシー)からボールを奪い、素早くカウンターアタックに転じると、最後は中村敬斗(スタッド・ランス)からの横パスを落ち着いて流し込み、日本に先制点をもたらした。
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著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。
























