サッカー日本代表に勝利以外の収穫はあったか 本気のイングランドに勝てる確証は得られず
イングランドにウェンブリーで1-0の勝利。日本サッカー界にとって快挙といえば快挙である。昨年の10月にはブラジルにも勝利した。前回カタールワールドカップではドイツ、スペインも破っている。「ワールドカップ優勝」(森保一監督)に向けて視界良好とばかりに、日本はいま目一杯盛り上がっているに違いない。
そうした見方を否定するつもりはない。盛り上がりに水を差すつもりもない。しかし、そこに"間違いの素"は潜んでいないかと、筆者は毎度のことながら疑う気持ちのほうが上回った状態にある。
前回大会のドイツ戦、スペイン戦はともかく、10月のブラジル戦、そして今回のイングランド戦は、相手にいくらでも言い訳が存在する試合だった。日本も何人かケガ人を抱えているのだからお互い様だと反論されそうだが、相手に日本人がイメージするような力が入っていなかったことは明白だ。
特にイングランドの場合、不動のCFハリー・ケイン(バイエルン)を筆頭に、デクラン・ライス、ブカヨ・サカ(ともにアーセナル)など、特に重大なケガの情報もなく、出場できる状態にあると思われる有力選手が何人も出場を見合わせた。ブックメーカー各社からワールドカップ本大会の優勝争いで2番手に推されているチームに相応しい、余裕ある振る舞いを見せた。
三笘薫のゴールにより1-0でイングランドを破った日本代表photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

