DeNA25年ぶりの優勝へ、高木豊が挙げた後半戦のキーマンは? 不安要素は「選手の経験不足」 (3ページ目)
【阪神、広島、巨人で最も警戒すべきなのは?】
――現在は首位の阪神から4位の巨人までが、6.5ゲーム差の中にいます。DeNAにとって現状で最も警戒すべきチームは?
高木 "ここ一番"でチームのまとまりがあって、勢いがあるのは広島かなと。その理由は新井貴浩新監督でしょうね。新井監督はいい意味で"馬鹿"になれますし、変に格好つけず、選手目線で一体になって戦おうとしている。"捨て身"になれるのが、他のチームにとっては怖いんです。
それを感じたシーンのひとつが、西川龍馬が離脱したあとの菊池涼介の4番起用です(7月15日、16日のDeNA戦で4番に起用)。固定観念に縛られず、今のチームにできることを考えている。体裁など考えませんし、それは戦う相手として嫌ですよ。
――確かに、波に乗ると連勝をしそうな雰囲気を感じます。ただ、主軸で活躍していた西川選手が離脱した穴は埋められるでしょうか?
高木 西川の代わりは見当たりませんが、(ライアン・)マクブルームや(マット・)デビッドソンがスタメンで活躍するようになると、打線も厄介になると思います。今は投手力、特に先発ピッチャーがいいですからね。
――首位の阪神については、どう見ていますか?
高木 シーズン序盤がうまくいきすぎましたよね。去年と真逆になりましたから。ただ、(シェルドン・)ノイジーが打てなくなり、佐藤輝明がファームに落ち、期待されていた梅野隆太郎も不調と、いろいろと"膿"が出てきた。「それをどう埋めていくか」というところで岡田彰布監督がうまかったのは、思い切って2年目の前川右京を使ったり、ルーキーの森下翔太を1番に起用したこと。そんなやりくりで持ちこたえています。
最後まで持つかというと、苦しいと思いますけどね。近本光司がケガから戻ってきて1番に座り、森下を3番にする、といった感じにできたら落ちつくでしょうね。
――近本選手の復帰待ちということでしょうか。
高木 近本次第ですね。近本が帰ってきたら「3番をどうするか」といろいろ配置を考えられるようになるんですが、今は「誰をどこで使うか」でいっぱいいっぱいでしょうから。悩みは多いと思いますけど、近本が戻れば相当に楽になると思います。
あと、せっかく大山悠輔の状態がいいのに、それを支える人間がいません。DeNAであれば牧秀悟における宮﨑敏郎、巨人であれば岡本和真における中田翔や大城卓三です。阪神の場合は勝負強い森下が5番でもいいのですが、それも近本が戻ってこないと動かせないでしょう。
――4位の巨人はどう見ていますか?
高木 先発が戸郷翔征、菅野智之、山﨑伊織の3枚でこられると手強いです。ただ、(フォスター・)グリフィンや横川凱らの場合はそれほど怖くない。ローテーションによると思います。
あと、巨人の課題は点の取り方。原辰徳監督はランナーを動かしていきたいと思っているんでしょうけど、なかなか思い通りにいっていない。結局はホームランでしか勝っていません。ただ、坂本勇人がオールスター明けに戻ってきそうなので、打線の流れがよくなるでしょうし、ホームランで勝つ確率もより高くなります。復帰後の坂本が活躍してくれると、チームは安定するようになると思います。
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