【高校野球】甲子園で見つけた"原石"たち 二塁送球1秒92の強肩捕手に驚異の身体能力外野手、そして"大物感"漂う2年生司令塔 (4ページ目)
何度も言うが、これだけの「仕事」ができて、まだ2年生になったばかりなのだ。
「キャッチャー、いいですねぇ!」
松岡順一部長に、そう話を向けたら、「そうでしょう!」と目が輝いた。
「ウチも長い伝統がありますが、これまでにないタイプのキャッチャーです。捕球、配球、リード、バント処理、スローイング......ディフェンス面に関しては、歴代ナンバーワンかもしれません。まだ2年生で体も小柄ですが、どんな相手にも物怖じせず、堂々と振る舞います。昨秋の九州大会で投げた堤(大輔)が何試合も好投できたのも、中村の存在が大きかった。あの守備ワークは、教えて身につくものではありません」
西武の黄金時代を支え、2017年に野球殿堂入りを果たしたレジェンドOB・伊東勤をも凌ぐかもしれない──。そんな才能の片鱗を、随所で垣間見せてくれた。
川本との2年生対決では、7回に左翼線へ二塁打。内容としてはサードゴロに近かったが、それ以上に、見上げるほど大きなサウスポーを相手に、一歩も退かずに右打席で堂々と構えてボールを見極め、四球で出塁した第1打席が強く印象に残る。
川本を見て、履正社時代の坂本誠志郎(阪神)を思い出した。坂本も小柄なのに、なぜか"大物感"があった。
プロ野球では2016年から「コリジョンルール」が導入され、本塁上での過度な接触プレーが禁じられた。ショートバウンドの捕球が当たり前となり、高速変化球が決め球となる現代野球においては、165センチ66キロの中村のように、心身の強さと敏捷性を兼ね備えていれば、十分に適性はある。
坂本同様、体格で劣る捕手の絶好のお手本になり得る可能性を秘めている。
著者プロフィール
安倍昌彦 (あべ・まさひこ)
1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。
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