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【夏の甲子園2025】北海・歴代ベストナインを選出! 1試合5盗塁の韋駄天にプロ通算打率3割超えレジェンドまで多士済々 (2ページ目)

  • 戸田道男●文 text by Toda Michio

 4番ライトには63年春準優勝のエース左腕・吉沢勝を抜擢する。長野県佐久市から親類の縁を頼って「野球留学」。181センチ、74キロの堂々たる体躯で2年時の62年から甲子園のマウンドに立ち、63年春はエースで4番。準決勝の早稲田実戦では自ら劇的なサヨナラランニング本塁打を放ち、北海道勢初の甲子園決勝進出を決めた。各球団の争奪戦の末、巨人に入団するも、プロ6年間で通算1勝と伸び悩んだのは惜しまれる。

 5番ファーストには現ソフトバンクの川村友斗、6番サードは現中日の佐藤龍世とNPB現役選手が並ぶ。川村は2年時の2016年夏準優勝のチームで5番ファーストを務め、3回戦、準々決勝と2試合連続本塁打をマーク。

 佐藤龍世は甲子園不出場ながら富士大を経てドラフト7位で西武入団。右の強打者として日本ハム--西武と渡り歩き、今年6月に中日に移籍した。

1994年に2年生エースとして32年ぶりベスト8の立役者となった岡崎光師 photo by Nikkan sports1994年に2年生エースとして32年ぶりベスト8の立役者となった岡崎光師 photo by Nikkan sportsこの記事に関連する写真を見る

【先発マウンドを任せるのは...】

 7番キャッチャーの村井英司は3年時の67年に主将を務め、チームは夏の甲子園出場を果たしながら自身は骨折によりベンチ入りメンバーからも外れる不運。電電北海道で捕手として3年連続都市対抗出場を果たし、日本ハムではおもにDH、代打の切り札として活躍した。

 8番セカンドの中村之保は3年時の62年春夏に主将を務め、1番ショートで甲子園出場。法大に進み、右投げ左打ちのシュアな打撃で神宮でも活躍し、66年二次ドラフトで南海の1位指名を受けてプロ入り。71年に阪神に移籍するもプロ生活は7年間と短かった。

 最後に選出する9番ピッチャーが難しい。60年センバツ4強のエースでNPB通算50勝をマークする佐藤進(のちに国鉄ほか)をはじめ、有倉雅史(のちに日本ハムほか)、鍵谷陽平(のちに日本ハムほか)らプロで実績を残した右腕や、2016年夏準優勝のエース・大西健斗ら歴代のベストナイン投手にふさわしい人材は数多いが、ここは94年夏の2年生エース・岡崎光師に先発マウンドを任せよう。

 173センチの上背から切れ味鋭い速球をテンポよく投げ込んで3勝を挙げ、32年ぶり夏ベスト8の立役者になった。先発回避した準々決勝でチームは佐賀商に3対6で敗れて快進撃はストップ。結局、初回無死から救援マウンドに立った岡崎が9回を投げ抜いただけに、「岡崎先発なら結果はどうなっていたか......」と思わせた。

著者プロフィール

  • 戸田道男

    戸田道男 (とだ・みちお)

    1961年岩手県一関市生まれ。明治大学卒業後、東京スポーツ新聞社で4年間野球担当記者を務めたのち、ベースボール・マガジン社入社。週刊ベースボール、ベースボール・クリニックほか野球関係の雑誌、ムックの編集に携わる。2011年に同社を退職し、同年から2021年まで廣済堂出版発行の「ホームラン」編集を担当。現在はフリーランスの立場で野球関連の編集者&ライターとして活動中。

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