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屈辱のU−18強化合宿から徳島商・森煌誠が驚きの進化 優勝候補から10奪三振とどう変わったのか (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 AI搭載の最新型ピッチングマシンを活用して、愛知大会ではドラフト候補左腕の東松快征(享栄)を攻略した。だが、倉野監督は「あれは自分たちのグラウンドでしか使えないので」と、甲子園では使えなかったことを明かした。

 愛工大名電を撃破し、続く2回戦では智辯学園と名門との対戦が続く。奈良大会5試合で12本塁打を放った強打線は、当然のように森を警戒して牙をむいてくるだろう。

 一方、森も愛工大名電戦での投球が完璧という実感はないようだ。

「変化球はよかったんですけど、ストレートが思った以上に走ってなかったので。腕の振りが横振りになっていたのを修正して、安定したフォームで投げたいです」

 プロ注目の投手が続々と地方大会で敗れ、有力投手の多くが本来の力を出しきれない今夏の甲子園。新星・森煌誠は大会の顔になるのか、それとも......。伝統校の剛腕から目が離せない。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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