【月報・青学陸上部】コーラ、アイス、
お菓子断ち。箱根までの調整法 (4ページ目)
夏季合宿前、4年生だけの学年ミーティングが食堂で開かれた。調子を落として塞ぎ込んでいる秋山の話題になった。その時、安藤キャプテンが少し突き放すように秋山に厳しい言葉を投げた。
「今のままだったら、誰もおまえについていこうとしないぞ」
その言葉が胸にグサリと突き刺さった。
「安藤にそう言われて、ハッと思いました。このまま腐っていくよりも、まずやれることをやっていこう。そう前向きに思えるキッカケになりました」
それからは黙々と練習をこなした。ようやく普通の自分の走りが戻ってきたのは11月だった。世田谷ハーフマラソンを64分50秒(11位)で走り、10000m記録挑戦競技会では29分25秒94でシーズンベストを記録した。しかし、秋山は満足していなかった。タイムが特別いいわけではない。寮に貼り出された、シーズンベストを出した10000mの1kmごとのラップを見て、驚いたという。
「それを見ると2kmのラップが遅いとかじゃなく、全体的にラップが遅いなって感じたんです。これはベースをもっと上げる必要がある。ただ、箱根まで残り1ヵ月しかないので同じ練習をしていてもタイムは上がらない。肉体や内臓も1ヵ月では変えられない。でも、フォームは1ヵ月で変えられると思ったんです。それで何か参考になるものがないか、グーグルで検索していたんですよ。そうしたらランニングしている人のおもしろいブログを見つけたんです」
そのブログには「後の膝を曲げることで足を前に振り出しやすくなり、結果的に足の運びがラクになる」と書かれていた。
「これいいなって思ったんです。今まで陸上をやってきたけど、フォームについてはほとんど教わったことがなく、全部自己流でやってきた。でも、この時、フォームについての解説を読んで、なるほどなって腑に落ちたんです。それを富津合宿で試したら、かなり走りがよくなったんです」
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