【箱根駅伝 名ランナー列伝】服部翔大(日本体育大学) 4年連続区間2位以内の実力と3年生主将として名門に30年ぶりの総合優勝をもたらした5区の激走
日体大・服部翔大は3年時の5区では往路&総合優勝に貢献する走りを見せた photo by AFLO SPORTS
箱根路を沸かせた韋駄天たちの足跡
連載11:服部翔大(日本体育大/2011〜14年)
いまや正月の風物詩とも言える国民的行事となった東京箱根間往復大学駅伝競走(通称・箱根駅伝)。往路107.5km、復路109.6kmの総距離 217.1kmを各校10人のランナーがつなぐ襷リレーは、走者の数だけさまざまなドラマを生み出す。
すでに100回を超える歴史のなか、時代を超えて生き続けるランナーたちに焦点を当てる今連載。第11回は、前年19位から総合優勝を果たした日体大のキーマンとなった服部翔大を紹介する。
【山は走れずとも平地で好走を見せた1・2年時】
箱根駅伝で10度の総合優勝を誇る日体大。最後の歓喜は2013年だった。3年生主将が山を激走。チームに30年ぶりの栄冠をもたらした。名門を優勝に導いた服部翔大は高校時代から強かった。
埼玉栄高時代は3年時の全国都道府県駅伝1区で区間賞。1学年上の高柳祐也に誘われたこともあり、日体大に進学した。入学当初から箱根駅伝5区の候補選手として期待されたが、なかなか山を走ることはなかった。
「1年時は直前に右膝を痛めて、上りの蹴り出しがうまくいかなかったため、3区に入りました。それでも1年生ながら日本人トップ。チームのシード権獲得(8位)に貢献できてよかったです。沿道の応援がすごくて、しかも途切れないことにビックリしましたね」
1年時(2011年)は3区を区間2位と快走した服部。2年時は1区を託され、区間2位と好走している。
「1区を任せられる選手がいなかったというチーム状況から自分が入りました。冷静な判断はできたと思うんですけど、積極性に欠けてしまった部分があったと思います。区間賞を獲得できず、内容的には悔いが残りましたね」
区間賞に輝いたのは同学年の早大・大迫傑で23秒差をつけられた。しかもチームは徐々に順位を落としていき、名門は過去ワーストとなる総合19位に沈んだ。
「繰り上げスタートで、伝統のタスキを途切れさせてしまったことを重く受け止めましたし、総合順位も衝撃的でした......」
そしてレース後の大手町で服部は別府健至・駅伝監督からキャプテンに任命された。
「正直、やっていけるのかな」という不安もあったという服部だが、3年生主将がチームの歴史を変えることになる。
1 / 2
著者プロフィール
酒井政人 (さかい・まさと)
1977年生まれ、愛知県出身。東農大1年時に出雲駅伝5区、箱根駅伝10区出場。大学卒業後からフリーランスのスポーツライターとして活動。現在は様々なメディアに執筆している。著書に『箱根駅伝は誰のものか』『ナイキシューズ革命 〝厚底〟が世界にかけた魔法』など。

