【月報・青学陸上部】コーラ、アイス、
お菓子断ち。箱根までの調整法 (6ページ目)
スポーツメーカーに就職が決定し、たまたま筆者がそのメーカーのシューズを履いていた時は「いい靴、履いていますね」と早くもメーカー愛を見せていた。記事の間違いを見つけて指摘してくれたり、さすがはキャプテン言うべきところは言うなぁと感心した。言動がすっかりキャプテン然となった安藤だが、昨年の今ごろは失意の底に沈んでいたという。
「昨年は恥骨筋を痛めて2週間ほど走れなくて、箱根の選考レースである10000mで29分30秒ぐらいかかったんです。この時点で厳しいなって思ったんですけど、なんとか富津合宿は行けた。でも、調子のいい選手を目のあたりにしてかなり厳しいなって思ったら案の上、箱根のメンバーから漏れてしまった。わかっていたけど悔しかったですね。前年は箱根を走って優勝できていい経験をさせてもらった。でも、今回は16名の枠にも入れなかったんだなと思うと......」
今シーズンに入ってからも春先は故障で走れず、つらい日々を送った。4年生は一色しか状態が上がらず、不甲斐ない他の選手に対して原監督から雷を落とされた。
それでも夏季合宿ぐらいから調子を取り戻してきた。そして出雲駅伝では4年生が躍動した。4区の茂木亮太が首位を走る東海大学との差を詰め、安藤がド根性の走りを見せてトップで一色に襷を渡した。一色は4年生の奮闘に感動し、ゴール後に涙を流した。これまで自分がひとりで引っ張ってきたが、ようやく一緒に戦えるところまで4年生が復活してきた。その喜びと今までの苦労がごちゃ混ぜになってクールな一色の涙腺を壊したのだ。
「いろいろありましたけど、終わりよければで、あとひとつです」
安藤は、そう言って笑った。
今シーズンのラストマッチとなる箱根駅伝だが、9日のミーティングで16名のメンバーが発表された。富津合宿に行けなかった4年生は選考外であることを自覚していたが、最後なのでやはり名前が漏れると悔しそうに涙をためている選手もいた。
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