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上谷沙弥が語るヒールターンと、中野たむとの敗者即引退マッチ「ここまで私を連れてきたのは間違いなくあの人」 (4ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

――そして2025年4月27日、中野たむ選手と横浜アリーナでの「敗者即引退マッチ」が行なわれました。

上谷:3月3日の後楽園ホールで"敗者退団マッチ"があって、私が勝ったけど彼女は引き下がらなかった。「これで終われない、すべてをかける、引退をかける。だからその赤いベルトが欲しい」って。だから私も受けて立った。

 赤いベルトと引退、全部をかけて戦った。お互い、プロレスに人生をかけたからこそ、あそこまでいけた。中途半端な相手だったら、あんな試合にはならなかったよ。

 正直、プロレスがなければ私には何も残らない。だから絶対に、赤いベルトもスターダムの頂点も譲る気はないよ。横浜アリーナという大きな会場で、満員のお客さんのなかで極限の試合ができたことは、プロレスラーとして大きな財産になった。そして、プロレスラーとしてだけでなく、自分自身の人生に刻まれる一戦だったね。きっと、中野たむもそうだと思う。

中野たむについて語った上谷 photo by Tanaka Wataru中野たむについて語った上谷 photo by Tanaka Wataru

――今振り返ると、中野たむ選手はどんな存在でしたか?

上谷:私にとって中野たむは"光"。プロレスの世界に引っ張ってきたのも、私が迷いながら踏み出した時も「上谷なら絶対スターになれる」と背中を押してくれたのも、たむだった。引退マッチで私に負けてリングを去ったけど、ここまで私を連れてきたのは間違いなくあの人。私が"闇"なら、中野たむは"光"なんだ。

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――今後の目標は?

上谷:今年はメディアに出演していることがスターダムの観客動員にもつながっているから、出られるものは全部出て、暴れまくりたい。今の目標は、スターダムで東京ドーム興行を成し遂げること。これは中野たむの夢でもあったんだ。アイツのすべてを私は奪ったから、夢まで奪ってやったよ。いつか東京ドームを、黒色に染めてやる!

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