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髙橋藍が敗北のあとに見せた「反撃力」 強豪ポーランド戦で真価を発揮できるか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 バレーボール男子ネーションズリーグ2025千葉大会。0-3とストレートで敗れたブラジル戦の髙橋藍は、自分に苛立っているように映った。リードされた展開で、ベンチに下げられていた。

「スタートから出すけど、(連戦による疲労も考えて)途中で変えるかもしれない」

 ロラン・ティリ監督からは前日に伝えられており、戦略的判断だった。本人も「すべてはチームのため」と十分に理解していた。しかし、筋金入りの負けず嫌いとは、理屈ではわかっていても"負ける"という現実を憎む者である。

ネーションズリーグ準々決勝でポーランドと対戦する日本代表の髙橋藍ネーションズリーグ準々決勝でポーランドと対戦する日本代表の髙橋藍この記事に関連する写真を見る もっとも、気持ちを整理した試合後の髙橋は、いつもの爽やかで明るい顔つきになっていた。

「チームは強化段階で、常に進化しているところです。負けてしまいましたが、ポジティブに捉えられる結果で。"いい負け"だったと思います。この戦いで、何が足りなかったか、を見極めたいですね。トップレベルのチーム相手だと何ができないのか。個人的には、20点以降で得点を取る力が必要になってくると思います。そこが気づけた、というのは大きくて」

 高橋はそう言って、徹底した勝負論から、敗北とも正面から向き合っていた。彼の勝負強さの根源は、その姿勢にあるだろう。

「コンビネーションの細かいところで、レベルアップが必要になってくると思います。たとえば自分自身、1セット目は細かいミスが出ました。フィーリングや体の感覚は悪くなかったので、反省するポイントですね。(石川祐希不在のキャプテンで)エースという立場で力が入りすぎたのか、コースを狙ったボールがアウトになったり、少しネットに触ったり、で乗りきれない部分がありました」

 そう語る髙橋は、自分のプレーを叱咤した。

「出だしのところで得点につなげられないと、試合は難しくなる。その1点で乗っていけるのが、ミスが出ると"決めないと"って。そこの責任は感じています。2セット目はリバウンドやラインを抜いて冷静にプレーして、そこから上げていけるかなって。途中で変えられてしまったんですけど、それを1セット目から出すことが重要だったと思っています」

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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