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髙橋藍が敗北のあとに見せた「反撃力」 強豪ポーランド戦で真価を発揮できるか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 髙橋は日本人バレーボール選手として、勝ち続ける使命を背負っている。それは常人ではとても無理だろう。しかし、オンリーワンの選手になる目標を掲げる彼にとって、それもプロセスに過ぎない。

「(バレーボール人気のさらなる向上には)一番は結果だと思います」

 髙橋は野心的に語っている。

「スポーツは結果が出なければ、どんなにマーケティング面で頑張って、スポンサー関係で協力してもらっても説得力がない。自分はバレーで結果を出し、営業活動もしたい。結果が出ていないと(説得力がないから)したくはないですね。まずはバレーで結果を出す、それで自分の価値も上がる。パリオリンピックではメダルを取れなかったですけど、自力で出場権を得て、視聴率も高かったそうで(イタリア戦は大会競技のなかで最高視聴率)。男子バレーはネーションズリーグで2位、3位になるなど繰り返して世界上位になり、強くなって人気も出てきました。さらに結果を出せば、人気も上がるはずです」

 7月30日、中国。ネーションズリーグ準々決勝で、日本はポーランドと対戦する。パリ五輪銀メダルの強豪で、世界ランキング1位を誇る(日本は5位)。接戦は必至だろう。過去の結果を上回ることは優勝を意味し、簡単なことではないが......。

 困難な試合で輝くことこそ、髙橋の真価だ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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