身長175センチ、球速140キロ台でも打たれない 西武・山田陽翔が明かす「打者を翻弄する独自投球術の全貌」
西武・山田陽翔インタビュー(後編)
中学3年時には球速142キロを記録。近江高校(滋賀)時代には"甲子園のスター"として注目を集めた山田陽翔(はると)は、現在プロ3年目。西武でプレーする山田は、学生時代の自分を「早熟だった」と振り返る。
プロ入り後もストレートの球速は大きく変わらず、平均は140キロ台前半。それでも、百戦錬磨の打者たちを相手に堂々と立ち向かい、今季4月の一軍デビューから15試合連続無失点。オールスターまでの27試合で防御率0.33という驚異的な安定感を見せている。
なぜ、プロでは「速くない部類」に入るストレートで、これほどまでに抑え込めるのか──。
今年5月に21歳になった西武・山田陽翔 photo by Sportivaこの記事に関連する写真を見る
【打者にとって厄介な投手のわけ】
その理由をひも解いていくと、独特の投球スタイルにたどり着く。
「高校時代から、変化球を投げるのが好きでした。もちろん、ストレートの球速も上げたいという気持ちはありましたけど、変化球の曲がり具合や投げる感覚が楽しくて。空振りを取るなら、ストレートよりも変化球で取るほうが気持ちいいんです。ストレートの球速がなかなか上がらないなら、それでも勝負できる手段を自分なりに見つけてやってきました」
「自分は変化球投手」と、山田はうれしそうに語った。上記の話をする間、自身の左拳をボールに見立て、さまざまな球種の握りをおそらく無意識で行なっている。用意してきた硬式球を渡すと、ニッコリと受け取った。
「シュート、ツーシーム、フォークって、どんどん指を広げていっているんですよ。この幅を縮めるほど球速が速くなりますし。そういう違いですね」
以上の3球種は、山田にとって同系統の変化球だ。シーム(縫い目)の使い方は基本的に同じで、腕の振りも変えない。そうしてピッチトンネルも駆使しながら、打者を幻惑しているのだ。
なかでも宝刀と言えるのがフォークだ。人差し指と中指を大きく広げて異なるシームにかけ、間から抜くようなイメージで投げていく。オーバースローの高いリリースポイントから放たれるウイニングショットは、千賀滉大(メッツ)の"お化けフォーク"を彷彿させるような落差だ。
1 / 4
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。










































