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錦織圭、復活のカギはどこにあるのか。
新境地を切り開き全仏へ (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 そこでカギになるのはやはり、ひとつはネットプレーだろう。

 ローマの2試合で実証したように、クレーでもネットプレーは状況判断次第で武器となる。ローマで手にした「前への入り方はよかった」という身体の記憶を、パリでも披露したいところだ。

 そしてもう一点は、練習をともにしたシュワルツマンが実践したような、早いタイミングでボールをとらえて主導権を握る展開力。

 広範なコートカバーは錦織の代名詞ではあるが、いい時の錦織は、相手よりも少ない走行距離でポイントを奪う選手としても名を馳せた。リスクと背中合わせのプレーでもあるが、今の彼には取るべき価値のあるリスクだろう。

 今年の全仏オープンは、いつもと同じ会場で行なわれるも、「例年とは大きく異なる大会だ」と多くの選手が声を揃える。開催時期は初夏から秋に移り、センターコートには屋根が新設され、公式球のメーカーも変わった。

 これまで築き上げてきた確固たるプレースタイルの上に、新たな武器を備えて新境地を切り開くには、今年のローラン・ギャロスはふさわしい舞台と言えるかもしれない。

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