【ワールドカップ】サッカー日本代表の大一番ブラジル戦、セルジオ越後はどちらを応援するのか「僕の本音は...」
日本代表は昨年10月の親善試合でブラジルを初撃破。再現なるか photo by JMPA
北中米ワールドカップはいよいよ決勝トーナメント(ベスト32)に突入し、われらが日本代表は、史上最多5度の優勝を誇るブラジルと対戦する。おなじみのご意見番、ブラジル出身のセルジオ越後氏はこの一戦を特別な思いで迎える。思いを聞いた。
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【サッカーを通じてできたたくさんの仲間がいる】
日本がブラジルとワールドカップで対戦するのは20年ぶり。前回はコテンパンにやられたけど(2006年ドイツ大会では1-4で敗戦)、今回はどうなるか。
僕にとっても感慨深い。今回の対戦が決まり、みんなに「セルジオさんはどっちを応援するの?」と聞かれるけど、「センターライン上で観るよ」と答えている。実際、どっちも応援しているし、どっちが勝っても楽しめるからね。
ただ、本音を言えば日本だ。だって、僕はブラジル人だけど、もう50年以上も日本にいるんだよ。サッカーを通じてできたたくさんの仲間や友人がいる。日本サッカー協会にも、とてもお世話になった。森保一監督も子どもの頃にサッカー教室に来てくれて、今でも食事に行くことがある。
もちろん、生まれ育ったブラジルが大事なことにも変わりはない。ただ、僕はペレの時代の人間だから。今、ブラジルの人に「僕はコリンチャンスでプレーしていた」と言っても、「あなた、誰?」と言われるよ。すでに亡くなった同世代の友人も多く、今は日本のほうが知り合いは多い。
20年前はブラジルを応援していたけど、もうブラジルのことも知らなくなってきた。長く住んでいて友人がたくさんいる場所が新しい故郷になるのは、僕にとって自然なこと。だから、日本を応援する。ちなみに、これはジョークだけど、ブラジルが勝つよりも日本が勝ったほうが、僕の仕事も増えるだろう(笑)。
今回のブラジルは、スターと呼べる選手はヴィニシウス・ジュニオールくらい。34歳になったネイマールはベンチを温めている。王国といっても、大穴の存在として優勝を狙う立場だ。初戦のモロッコ戦(1-1)も相手に主導権を握られていた。
ただ、それでも日本が勝つのは簡単じゃない。昨年10月の親善試合で日本が3-2で逆転勝利した時からは大幅にメンバーが入れ替わり、まったく別のチームになっている。
攻撃の中心は、その10月の親善試合でブラジルがまだリードしている段階でベンチに下がったヴィニシウス。所属するレアル・マドリードでは左サイドに張ってプレーしているけど、代表では中央にもどんどん入ってくる。グループステージで3得点を挙げたマテウス・クーニャとの連係も徐々によくなっている。
中盤にも、運動量が豊富なつなぎ役のブルーノ・ギマランイスと、やはり運動量も備えた司令塔のルーカス・パケタと軸になる選手がいる。また、ラフィーニャのケガで出番が回ってきた19歳のラヤンという面白い存在も出てきた。守備も整備されて、失点が少なくなった。フランス、スペイン、アルゼンチンといった優勝候補とは差があるものの、日本にとっては手ごわい相手だ。
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著者プロフィール

セルジオ越後 (せるじお・えちご)
サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】


