【ワールドカップ】サッカー日本代表の森保一監督に、セルジオ越後が渡した東照宮のお守り「優勝ではなくベスト8もとても名誉なこと」
グループステージ2位通過を決めた日本代表の森保一監督 photo by JMPA
連日熱戦の続く北中米ワールドカップ。サッカー日本代表は危なげない戦いぶりで、グループステージを1勝2分けの2位で通過した。おなじみのご意見番、セルジオ越後氏にここまでの森保ジャパンの戦いぶりを振り返ってもらった。
【本当の力が試されるのはこれから】
決勝トーナメントに向けて、気持ちを引き締めることができたと思えば悪くない。
グループステージ3戦目のスウェーデン戦、日本は1-1の引き分けでグループ2位通過を決めた。負けても3位通過が濃厚だったので、精神的な余裕はあったはず。ただ、試合内容は本当に危なかった。終盤は一方的に攻め込まれた。よく引き分けに持ち込んだなという印象だ。
両国に力の差はほとんどないと思う。でも、この試合ではスウェーデンのほうが勝利への意識が強く、自分たちの強みを押し出してきた。高さで上回る彼らは、日本のプレスを回避するためにロングボールを蹴ってきた。その狙いは当然、日本の選手たちもわかっているのだけど、手を焼いた。特にトップのヴィクトル・ギェケレシュは、うまさはないものの、しっかりとボールをキープして攻撃の軸になっていたね。さすがだよ。
一方の日本は、先制点は見事だった。スピードを生かしてゴールを決めた前田大然はもちろん、アシストをした堂安律の動きもすばらしかった。ただ、同点に追いつかれてからは疲れも見え、また、森保一監督の采配も効果的ではなかった。攻撃よりも守備を優先したからこそDFの渡辺剛や長友佑都を投入したのだろうけど、流れを変えられず、さらに押し込まれた。好セーブを何度も見せたGK鈴木彩艶がいなければ負けていただろう。
グループステージ3試合を振り返ると、初戦は強いオランダに追いついて引き分け(2-2)、2戦目は内紛状態でボロボロのチュニジアに圧勝(4-0)、そして、3戦目はスウェーデン相手に守って守って引き分け。結局、グループで一番弱いチュニジアに勝っただけで、強い相手には勝てなかった。
今回から出場国が32から48に増え、グループステージでは大味な試合が増えた。波乱は少なく、リオネル・メッシもクリスティアーノ・ロナウドも弱い相手に得点を荒稼ぎしている。また、グループ3位でも決勝トーナメントに進めるようになった。日本のグループ2位という成績には一定の評価をすべきだけど、騒ぐほどではない。
むしろ、スウェーデン戦後に日本の選手やスタッフたちが喜んでいる姿を観て、強豪国とはまだ差があるなと感じた。強い国の選手たちは、ここからが本番だとわかっているので、グループステージ通過を決めてもガッツポーズをしないからね。今回の日本は「史上最強」と言われているけど、本当の力が試されるのはこれからだ。
1 / 2
著者プロフィール

セルジオ越後 (せるじお・えちご)
サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】


