検索

【ワールドカップ】サッカー日本代表は自らチャンスを作れない 守備的姿勢が生んだブラジル戦の結末

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

無料会員限定記事

 後半のアディショナルタイム、しかも残り1分を切った段階で浴びた逆転弾。日本が先制した試合展開を考えると、ともすればこのうえなく惜しい試合に映る。だが、冷静に試合を振り返れば、けっして"惜敗度"の高い試合ではなかった。逆転弾を食らうのは時間の問題だった。ガブリエウ・マルティネッリの右足シュートが、ポスト内側を叩きながらネットを揺らす光景は、ある意味で十分に予想された出来事だった。訪れるべき時が訪れた場面だった。

ブラジルに敗れ、うなだれる日本代表の選手たち photo by JMPAブラジルに敗れ、うなだれる日本代表の選手たち photo by JMPA 日本のピークは前半29分、佐野海舟の先制弾が決まったシーンだった。そこからの日本は、攻撃はそこそこにして守備を固めた。そして後半11分にカゼミーロに同点ヘッドを許すと、押されっぱなしとなった。日本は守るしかなくなった。まだ同点だというのに、勝利の可能性は、延長戦を経た末のPK戦に辿り着かない限り、ないものに見えた。

 後半の展開はまさに一方的。同点弾を許してからの関係は、感覚的には3対7というより2対8だった。見たくないものを見せられている感じだった。今大会、弱者対強者の関係がここまで鮮明になるケースも珍しかった。

 森保一監督は「日本代表は優勝を狙う大会のダークホース」と語っているが、大会のダークホースはこんな情けない敗れ方をしない。ロープ際に下がり、クリンチで逃げるボクサーのような姿をさらけ出すことはない。好感度を発しながら舞台から去っていくものだ。

 ブラジルに対して1-2。もし世間が「強者相手によくやった」と言うなら、筆者は思いきり反論したい。スコア上は接戦だが、内容を見る限り0-2、1-3あたりが妥当なスコアだった。

 2006年ドイツワールドカップのグループリーグ第3戦のブラジル戦。日本は玉田圭司が先制弾を決めたものの、1-4で敗れている。両者の差がその時より若干、縮まったことは認めるが、大幅ではない。これで「歴代最強」と言うのなら、哀れすぎる逆転負けだった。

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録より「集英社ID」にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

  • Googleで優先するソースとして追加

Googleの「優先ソース」について

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

キーワード

このページのトップに戻る