2020.09.14

大坂なおみ、優勝への分岐点は3回戦。
「ひどい振る舞い」から多くを学んだ

  • 神 仁司●文 text by Ko Hitoshi
  • photo by AFLO

■分岐点になった3回戦「大坂なおみ「今の私は違う人」」はこちら>>

 今年のUSオープンは無観客試合。拍手も歓声もなかったが、大坂なおみは優勝を噛みしめていた。

 試合後、一旦ベンチに戻ってラケットを置くと、アーサー・アッシュスタジアムのコート上に戻り、不意に仰向けに横たわって、約20秒間じっと空を見つめた......。

2年前の初優勝の時よりも、精神的にも強くなった大坂なおみ「彼ら(歴代チャンピオンたち)が眺めた空を、私はいつも見たかったんです。私にとっては、本当に信じられない瞬間でした。実現できて本当にうれしい」

 USオープン女子シングルス決勝で、第4シードの大坂は、ノーシードから勝ち上がって来たビクトリア・アザレンカ(27位、ベラルーシ)を、1-6、6-3、6-3で破って、2年ぶり2度目のUSオープン優勝を成し遂げた。

 実はこの対戦カードは、USオープンの前哨戦の決勝で実現するはずだった。その時は、大坂が左足ハムストリングのけがにより棄権したため実現しなかったが、あらためて好調な2人が決勝で対峙することになった。

 31歳のアザレンカは、2012年と2013年のオーストラリアンオープン優勝者で、元世界ナンバーワン。2013年USオープンで準優勝以来7年ぶり、そして母親になってからは初めてのグランドスラム決勝でのプレーとなった。

「第1セットではとてもナーバスだった」と硬さが見られた大坂とは対照的に、アザレンカは老練で冷静なプレーを披露した。ファーストサーブを着実に入れて、自らグランドストロークを展開し、大坂を左右に走らせてストロークミスを誘った。大坂は3度もサービスブレークをされて、ミスを13本犯し、わずか26分で第1セットを先取された。

 大坂は、ベンチでタオルを頭からかぶり気持ちをリセットしようとしたが、第2セット第2ゲームで、またも先にブレークを許し、0-2と厳しい状況が続いた。