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石川祐希が「大きな価値がある」と誇る欧州CLのタイトル 周囲の盛り上がりに「それだけすごいことをしたんだ」

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki

石川祐希のAttack The World vol. 13 後編

(前編:ペルージャで感じた「力不足」と出番が減ったことでの新たな気づき>>)

 コッパ・イタリア、リーグの優勝を逃したペルージャだったが、欧州チャンピオンズリーグ(欧州CL)を制してシーズンを締めくくった。石川祐希は、シーズン全体としては控えに回ることもあったなかで、出場機会が多かった欧州CLをどのように戦っていたのか。さらに、来季の目標も語った。

欧州チャンピオンズリーグを制して笑顔の石川祐希 photo by Newspix.pl/アフロ欧州チャンピオンズリーグを制して笑顔の石川祐希 photo by Newspix.pl/アフロこの記事に関連する写真を見る

【リーグの結果は「最低限」の3位】

――今季は「全タイトルを獲る」という目標を掲げていたと思いますが、欧州CLは制したものの、リーグはプレーオフ3位、コッパ・イタリアは準決勝敗退となりました。

「コッパ・イタリアの時は、(オレフ・)プロトニツキ選手(ウクライナ代表)がケガをしてしまっていてサイドの控えがおらず、チームとして難しい状況にありました。個人的にもあまりいいプレーはできなかったです。もちろん負けてしまったことの悔しさはありますし、『もっといいプレーができたはずだ』とか、たくさん思うことはあります。

 その頃はまだリーグの前半戦が終わったくらいで、僕も完全にペルージャの一員として戦えていなかったというか、コートに入っている時の感覚がこれまでと違っていたように思います。勝たないといけないプレッシャーもあり、自分のよくないところが目立ってしまいました」

――リーグ戦は昨季プレーしていたミラノと同じ3位。ただ、昨季の3位と、今季のペルージャでの3位は、石川選手にとっては違う思いがあるのではないでしょうか。

「そうですね。昨季の3位は『うれしい3位』でした。でも、今季の3位は『最低限』です。うれしいよりも、悔しい気持ちのほうが大きいです。(3位決定戦で)勝って終われたことはよかったですけど、結果だけ見るとうれしいとは言えない。やはり、目指しているものとは違った結果でしたから」

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著者プロフィール

  • 柄谷雅紀

    柄谷雅紀 (からや・まさき)

    スポーツ記者、ライター。1985年生まれ、大阪府出身。筑波大男子バレーボール部で全日本大学選手権など多くの大会で優勝した。卒業後の2008年から大手新聞社で事件や事故、裁判の取材を経験。転職した2013年からスポーツの取材に携わる。2018年平昌五輪、2021年東京五輪、2022年北京五輪を始め、多くの競技を現地で取材している。@masaki_karaya

  • 石川祐希

    石川祐希 (いしかわ・ゆうき)

    1995年12月11日生まれ。愛知県岡崎市出身。星城高校ではエースとしてチームを牽引し、公式戦で99連勝を達成。2012年と13年にインターハイ、国体、春高バレーで優勝し、星城高を史上初となる2年連続での高校3冠に導いた。

【写真】男子バレー日本代表キャプテン・石川祐希 フォトギャラリー

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