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休養から2冠のナダル。
錦織圭も「情熱のカムバック」を果たせるか (5ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 ナダルのグランドスラムタイトル数は16個となり、男子史上最多となるフェデラーの19個に次ぐ偉大な記録となったが、これまでひざや手首など多くのケガに悩まされてきたナダルにとっては、記録よりも大切しているものがある。

 「自分が健康で、ハッピーであれば、そしてプレーするほとんどの週で競い合うことができれば、自分は嬉しい。自分にとってはグランドスラムで優勝するより大事なことで、それが今年、自分に起こっている」

 ナダルはUSオープンの優勝会見で"passion(情熱)"という言葉を何度も口にした。テニスへの情熱、競い合うことへの情熱、いつでも上達するための情熱を持つことがもっとも大切なのだと、自分に言い聞かせるように強調する。

 この情熱が31歳になったナダルの復活への支えとなり、USオープン3度目の優勝や今季グランドスラム2冠達成の原動力になったのは間違いない。来季の復帰を目指す錦織は、このナダルの情熱をぜひとも見習いたいところだ。

 これまでナダルは、2010年にグランドスラム3冠、2013年にグランドスラム2冠を達成して、それぞれ彼の全盛期と位置付けられている。そして、今季の好成績を受けて、「自分のキャリアの中で、ベストシーズンの1年だと思う」と語るナダルは、約3年ぶりに奪還している世界1位の座を、2位のフェデラーに約2000点の差をつけてさらに盤石なものにした。

本当に強い"ラファ"が帰ってきたのだ。

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