休養から2冠のナダル。
錦織圭も「情熱のカムバック」を果たせるか (2ページ目)
そして、アンダーソンの返球が浅くなるとそれを見逃さずに、ベースライン付近からステップインして攻撃的なストロークを打ち込んだ。コートを縦横無尽にカバーできるナダルのフットワーク力があってのプレーであり、ナダルの攻守の切り替えが素早い見事なポジショニングだった。
さらに、ナダルはネットプレーも織り交ぜてきた。決勝では16回すべてのネットプレーを成功させ、チャンピオンシップポイントでは、ナダルが驚くべきことにサーブ&ボレーに出て、バックボレーのウィナーで締めくくった。
結局、アンダーソンはナダルからブレークポイントを一度も握ることができず、40本のミスを犯す一方で、ナダルはミスを11本に抑えて、30本のウィナーを決めている。また、ナダルがサーブのコースを読み切っていたため、アンダーソンのセカンドサーブでのポイント獲得率は36%にとどまり、まさにナダルの完勝といっていい。
「USオープンは、自分にとって最も重要な大会のひとつであり、そこで優勝できてとても嬉しい。大きな意味があるし、グランドスラムの締めくくりとしてはこれ以上ない」
そう語るナダルの優勝は順当ともいえるが、今年のUSオープン期間中は波乱の連続だった。ボトムハーフのアンダーソンの勝ち上がりは、その波乱を象徴するひとつだ。また、準々決勝の時点で、上位8シードで残っていたのは、ナダルと第3シードのロジャー・フェデラー(3位、スイス)だけという荒れようだった。
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