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【男子バレー】大阪ブルテオンのエバデダン ラリーが初めて口にした決意「日本バレーのミドルの顔になる」

  • 小宮良之●取材・文 text by Yoshiyuki Komiya

『ハイキュー‼』×SVリーグ コラボ連載vol.2(25)

大阪ブルテオン エバデダン ラリー アイケー 前編

得点が決まって喜ぶエバデダン ラリー(左)と西田有志 photo by スポーツ報知/アフロ得点が決まって喜ぶエバデダン ラリー(左)と西田有志 photo by スポーツ報知/アフロこの記事に関連する写真を見る

【ミドルとして"目立たなさ"を売りにする】

 大阪ブルテオンのエバデダン ラリー アイケー(25歳)は、ファンキーな髪型が示すように、その明るさで周りを和やかにする空気を持っている。集団のなかでネガティブな要素にならない。誰よりも気を遣うが、一方で気を遣われることを嫌っているからだ。

 もっとも、その"優しさ"はどちらにも転ぶ。競争を強いられる世界では弱さや脆さにつながる要素にもなり得るからだ。

「たぶん、自分の性格はバレーに合っていない。というか、スポーツに合っていません。思い描くアスリート像と、自分の性格は違うんです」

 ラリーは笑顔を浮かべながら、本質に迫ることを口にした。彼自身、誰よりも自分と対峙しているのだ。

「たとえば、チームメイトの西田(有志)さんや(アントワーヌ・)ブリザールは闘志に溢れているじゃないですか。"この一本に集中する"というでかい炎が燃え立っています。それに比べて、僕の炎はちっちゃいし、燃え盛ることはない。アスリートとしては明るくないし、眩しくないです。

 でも、『だからこそ』とポジティブにも捉えていて。僕はミドルブロッカーというポジションなので、隠れていきたい。ブロックも、クイックもいきなり現れて決める。"目立たなさ"を売りにしたいんです。

 代表合宿でセッターの深津(旭弘/東京グレートベアーズ)さんに『おまえ、助走する時に見えないんだよ』と言われたことがあって。『どういうことですか?』って聞いたら、『気づいたら、そこにいる』と。その"黒子感"がうれしくて、『本当っすか!?』ってテンションが上がりました」

 ラリーは低く、よく通る声で言った。隠形の身ながら、陽炎のごとく災難を祓う摩利支天か。隠れ通して、「必勝」に導くのだ――。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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