【ラグビー日本代表】リーチ マイケルが語る、南アフリカ撃破から10年後の課題「日本人のスタンドオフが少ない」 (2ページ目)
【日本はまだまだ伸びしろがある】
アルゼンチンとの第4戦は、ともに2勝1敗で迎えた。勝てば決勝トーナメントへ進出することができたが、最終的にベスト4入りを果たす南米大陸の雄に屈した。
「アルゼンチンに勝っていればベスト8に入れるというのはありましたが、それがあの時点での実力でした。スコアの差はそこまで大きくないけれど、ちょっとした差がありました。
アルゼンチンを含めたティア1のチームと選手一人ひとりを比べたら、そこまで大きな差はないんです。チームで戦うとなった時も、フィジカル、スキル、戦術に大きな差はない。
じゃあ、どこで差がつくのかといったら、キツい時間帯のメンタリティが違います。どれだけ我慢できるか、前へ出ていけるか。
あとは、判断ですかね。ゲームコントロールのところで、どういう判断をするのか。いい判断をするには経験が大事になってきますが、2019年から2023年の間は新型コロナのパンデミックがあったりして、チームとしてたくさんのテストマッチをすることができなかった。そのブランクは大きかったですね」
絶対的なリーダーたるリーチが、ゲームコントロールに強い影響力を持つことはできる。ただ、彼と同じ絵を描ける選手が多いほど、チームの対応力や瞬発力、危機回避能力は高まる。
「ラグビーは陣地とモメンタム(勢い)のゲームで、そこをどうコントロールするのかがすごく大事です。テストマッチで差が出るのはそこで、日本はまだまだ伸びしろがあるけれど、今、少し課題なのは10番ですね。リーグワンで10番(SO)を背負ってプレーしている日本人選手が少ない」
6月のウェールズとの連戦、それに8月30日のカナダ戦で10番を着けた李承信は、所属するコベルコ神戸スティーラーズでは12番(インサイドCTB)、13番(アウトサイドCTB)、15番(FB)でのプレーが多かった。リーチのチームメイトにしてエディ指揮下で10番を着けたことのある松永拓朗も、東芝ブレイブルーパス東京ではFBが定位置だ。
「今のリーグワンでは、9番(SH)も外国人選手が増えています。9番と10番はすごく重要で、このポジションの日本人選手を成長させていくのは、強化ポイントのひとつです」
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