関屋記念で注目の血統は「ダンチヒ」と「ディープインパクト」 本命は44戦の大ベテラン、対抗は? (2ページ目)
血統を見てみよう。本馬の持つダンチヒは、母の父ダンシリを経由して、その父デインヒル、さらにその父にダンチヒという血統。ダンシリは日本で種牡馬生活を送っているハービンジャーの父でもある。父ディープブリランテはディープインパクトを父に持つ日本ダービー馬で、この夏は産駒エルトンバローズがGⅢラジオNIKKEI賞を勝利している。
前述のように、このレースを勝ったディープインパクト産駒のうちの3頭が母系にダンチヒを持っていて、プリモシーン、サトノアーサーの2頭はデインヒル経由。さらに、ミッキーブリランテは2頭が持つニジンスキーを母系に、ヌレイエフを父系に持っている。父系は一代異なるが、2頭とは共通点の多い血統構成となっており、このレース向きの血統馬なので期待したい。
もう1頭はフラーズダルム(牝5歳、栗東・松永昌博厩舎)を推す。同馬は「母の父ホワイトマズル」、「祖母の父トニービン」という点が2019年の勝ち馬ミッキーグローリーと共通。さらに父キズナは、ミッキーグローリーの父ディープインパクトの産駒であり、血統構成はかなり似ている。
同馬は今回と同じ舞台で行なわれた前走の谷川岳Sで8着に敗れているが、道悪に加え、直線では不利もあった。新潟・芝1600mでは一昨年に1勝クラスを勝利しているため、条件は悪くないはずだ。
以上、今年の関屋記念はディープブリランテ産駒ミッキーブリランテ、キズナ産駒フラーズダルムに注目だ。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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