4日間の言葉でわかる渋野日向子の現状。全米女子で感じた大いなる可能性 (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 決勝ラウンドに入った3日目は苦しいラウンドとなった。1バーディー、4ボギーの「74」。通算4アンダーと、3つスコアを落とした。それでも、単独トップの座をキープした。

「今日は本当に難しかったです。ショットも(予選ラウンドの)2日間のようにはうまくいかなくて、やっぱり首位にいるという緊張感が最初からあった。そのまま18ホール、5cmぐらい宙に浮いた状態でゴルフをしていました。ドラえもんの気分です。

 緊張感があるなかで、自分の動きができず、行ってはいけないところに打ってしまったり、(グリーンに)乗っても難しいところにボールが残ってしまったりして、耐えるゴルフしかできなかった。でも、今年の調子だったり、メンタルだったりを考えると、よくやっていると思うので、この位置(首位)で3日目を終えていることを褒めたほうがいいのかな......。けどまあ、欲深くなっちゃいますよね、人間は......。

 伸ばし合いのほうが得意? 得意かどうかはわからないです。でも、粘るゴルフ、耐えるゴルフもできるようになってきていると(自分では)思っていて。グリーンを外した時のイメージを作るのも楽しくなっていて、むしろ、そういうゴルフが好きになってきているのかな、と。

 それが今の自分らしさ? ゴルフの調子がだんだん悪くなったこともあって、昨年のように戻りたいという思いが膨らんで、だんだん"自分らしさ"というのは何かわからなくなった。そこから無茶苦茶になって、すべてを投げ捨てて、今に至っているので......。今、それを見つけている途中。ゴルフでも。そのなかで、攻めのゴルフだけやっていたのが、粘るゴルフもちょっとずつできるようになったんだよ、っていうのはあります」

 そして、メジャー2勝目が期待された最終日。再び厳しいゴルフを強いられ、ボギーが先行。2バーディー、5ボギーの「74」で終えた渋野は、通算1アンダー、4位という結果に終わった。

「こんな大舞台でよくがんばったとはいえ、悔しいもんは悔しい。こういう気候だったり、緊張感があったりするなかで、自分のしたいスイング、ゴルフがまったくできなかったので、そういうところに対して、すごく悔しいな、と思います。これが、今の自分の実力だなと思って、受け取るしかない。

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