レアル・マドリードのベテランたちが見せた勝負どころの存在感。福田正博が感じたビッグクラブの過酷な日程を生き抜く術とは? (2ページ目)
国内リーグとCLの両方を獲る難しさ
イングランドのプレミアリーグ勢が、CLでレアル・マドリードの後塵を拝することになったのも、このあたりの差なのかもしれない。
プレミアリーグはもともとレベルの高い選手が集まっていたが、ユルゲン・クロップ監督(リバプール)やジョゼップ・グアルディオラ監督(マンチェスター・シティ)など、国外から優秀な監督が集まるようになって、リーグのレベルはさらに高まった。現在の各国リーグのランキングではスペインリーグを抜いて世界一になった。
そうした『いいサッカー』は、リーグ戦で上位の成績を残すには必要なこと。ただ、一発勝負のCLでは、それが必ずしも優勝につながるとは限らない。
リバプールがCL決勝でレアル・マドリードを押し込みながら勝てなかったところを、「運がなかった」「相手GKが当たっていた」と結論を出すのは簡単だ。だが、リーグ戦とカップ戦の性格の違いを理解したうえで、両方のタイトルを獲る難しさと面白さがわかると、ヨーロッパのサッカーはさらに楽しめると思う。
スペインのラ・リーガに関して言えば、リオネル・メッシの退団からスタートしたバルセロナは、ロナルド・クーマン前監督の下で臨んだCLはグループリーグで敗退し、リーグ戦も苦戦を強いられた。11月にシャビ・エルナンデス監督が就任し、若い選手を起用しながら最後はリーグ2位になった。
そのなかで、サッカー選手はやはり無理をすると影響が出るのだなと痛感させられたのが、ペドリだ。昨シーズンは東京五輪を含めて73試合に出場したが、今季はケガから回復してはまたケガをするということを繰り返し、最終的に左足大腿二頭筋負傷の大ケガを負ってしまった。若いから最初は無理が利いたのだと思うが、肉体への負担はやはり大きかったということだ。
頼りになる選手だから、目先の結果を追うあまり起用する気持ちは理解できる。だが、本当にチームの成績を考えるのであれば、選手がコンスタントに長い期間安定したパフォーマンスを発揮できるように、チームや監督はマネージメントする能力も求められるのではないか。
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