2022.06.02

日本代表戦にブラジル国内で懐疑の声。一方、ネイマールらは羽を伸ばして絶好調だったが…

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 今年はカタールW杯が11月に開催されるため、代表としてたっぷり時間が取れるのは今のこの時期しかない。そのため各国が国際試合を予定しており、ブラジル代表がプレーするのは6月2日の韓国戦と6日の日本戦だ。ただこのアジアツアーを、ブラジルの人々は懐疑的な目で見ている。

 ブラジルはW杯南米予選を史上最高の成績で突破した。当然、本大会でも優勝を目指している。ただ、コロナ禍だったこともあり、ブラジルは最近、南米以外のチームとはプレーしていない。直近は2019年11月の韓国戦で、ヨーロッパのチームとなると2019年の3月のチェコ戦が最後。それ以前はロシアW杯となってしまう。

 南米にも強いチームは多いが、なにせ(南米サッカー連盟加盟国は)10カ国しかないので、お互いに相手の手の内を知り尽くしている。世界の頂点を狙うには、そこでライバルとなるようなチーム、つまりヨーロッパの強豪との試合経験を重ねていく必要がある。

 しかし、ブラジルがこの期間に対戦するのは韓国と日本。大事な時期にこれでいいのかと、ブラジル人は不安を隠せない。別に日本や韓国がいけないというわけではない。リスペクトしていないわけでもない。ただ、ブラジルが入ったグループGはスイス、セルビア、カメルーン。W杯でアジアのチームと当たる可能性は15%くらいではないかと言われている。わざわざ時間をかけて地球の裏側まで行って対戦する必要は本当にあるのかと、みな、首をひねっているのだ。

韓国戦を前に練習で笑顔を見せるネイマール(ブラジル代表)photo by AFP/AFLO韓国戦を前に練習で笑顔を見せるネイマール(ブラジル代表)photo by AFP/AFLO この記事に関連する写真を見る  実際にはヨーロッパのチームはネーションズリーグが行なわれるため、調整は難しかったかもしれない。だがヨーロッパがダメなら、カメルーンに似たアフリカのチームのほうがよかったのではないか。

 ブラジルサッカー連盟(CBF)は2012年から2022年末まで、イギリスの「ピッチ」という会社と契約をしており、「ピッチ」は代表チームの親善試合すべての開催権を得ている。今回の遠征ももちろん彼らの仕切りだ。「ピッチ」がアフリカより日韓を遠征先に選んだのはチームのためというより、金になるからだ。ブラジルはこの2試合で合計250万ドル(約3億2000万円)を稼ぐ計算だ。この決定には、「ピッチ」はもちろん、それを許した代表の責任者ジュニーニョ・パウリスタも批判の的になっている。