バルサが観客動員記録を次々と更新。欧州の女子サッカーに革命が起きている
レアル・マドリードが史上最多となる14回目の優勝を飾ったチャンピオンズリーグ(CL)。だが、歴史に燦然と名を残すのは、その一週間前に行なわれた女子のCL決勝のほうかもしれない。それは女子サッカーがマイナースポーツであるというイメージを打ち破る、革命的な試合だったからだ。
『スポーツ・イラストレーテッド』は世界で最も有名なアメリカのスポーツ誌だ。その表紙を5月、史上初めて女子のクラブチームが飾った。バルセロナの女子チーム、バルセロナ・フェメニだ。彼女らはCLのディフェンディングチャンピオンであり、ここ4年間で3回決勝に進出している。
ヨーロッパのクラブ女王を決める大会が始まったのは、今から21年前の2001-2002シーズンのことだ。この年、アメリカでは女子のプロリーグが始まり(資金難により3シーズンで休止)、それに後れをとってはならないと、UEFAが設立した。当初はUEFAウィメンズカップと呼ばれており、2009年からUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグと名称を変えた。
最初の2001-2002ウィメンズカップには33チームが参加。フランクフルトで行なわれた決勝の観客は1万2000人だった。しかしそれから21年、今年の大会には72チームが参加、220試合が行なわれた。
トリノのアリアンツスタジアムで行なわれたリヨン対バルセロナの決勝は世界で360万人が観た。昨シーズンの56%アップである。フランスはTF1、スペインはRTVEとTV3の2局が中継。他にもイギリス、ベルギー、スイスなどで放送された。欧州以外の地域でも、DAZNが今回、専用のYoutubeのチャンネルを開設し、無料で見られるようにした。UEFAはDAZNと4年契約をしており、2023-2024シーズンからは有料となる予定だ。ちなみに視聴者が一番多かったのはスペイン、その後にドイツ、フランス、アメリカ、イタリアしてインドネシアが続く。
絶大な人気、実力を誇るアレクシア・プテラス(バルセロナ・フェミニ)photo by AFP/AFLOこの記事に関連する写真を見る 今回の決勝が注目されたのは、現在の女子サッカー界を代表する選手ふたりの対戦となったことも大きかった。オリンピック・リヨンのスター、ノルウェーのアーダ・ヘーゲルベルグと、バルセロナのスター、スペインのアレクシア・プテラスだ。プテラスは去年のヨーロッパ最優秀選手にも輝いている。
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