バルサが観客動員記録を次々と更新。欧州の女子サッカーに革命が起きている (2ページ目)
カンプノウが満員に
しかし、何より大きかったのはバルセロナ・フェメニの人気だ。彼女らは今シーズン、国内リーグ戦で30戦30勝、つまり全勝優勝を果たした。159ゴールをあげ、失点はたったの11。1試合平均5ゴール以上を決めた計算になる。CLでは37ゴールを決め、これも第1位、失点も7と一番少なかった。ボールポゼッションの平均66.3%と非常に高い。バルセロナは真剣に女子の育成を考えており、最近では女子選手のためのラ・マシア(育成組織)を設立した。
女子サッカーの最高観客動員数は、1999年女子W杯決勝のアメリカ対中国戦が長く最多記録となっていた。試合が行なわれたカリフォルニアのローズボウルには9万185人が集まった。
この記録が今年の3月に破られた。カンプノウでのCL準々決勝バルセロナ対レアル・マドリード、つまりの女子のエル・クラシコが9万1553人という数字を打ち立てたのだ。しかもこの記録も3週間後には塗り替えられる。準決勝のヴォルフスブルク戦で、カンプノウに9万1648人が集まったのだ。
バルサ・フェメニはその数字と結果で女子サッカー界に革命を起こしている。彼女たちは男子も含めたスペインのサッカーチームのうち、SNSのフォロワー数で、バルサ、レアル・マドリードに次ぐ第3位(2100万人)となっている。
リヨンとの決勝の前日、バルセロナの街では、いたるところで太鼓を叩き、チャントを歌うサポーターの姿が見られた。その後、彼らは39台のバスと4機の飛行機に乗ってトリノへ向かった。チームが組織したサポーターだけでも1万5000人はいたという。カタルーニャからトリノに向かったバス組は二手に分かれていた。不慮のアクシデントがあったとしても、どちらかのグループがスタジアムで声援を送れるように、だ。バルササポーターはスペインだけではなく、地元イタリアやイングランド、遠くはアメリカからもやって来ていた。
トリノに駆けつけたのはサポーターだけでない。バルセロナは3機の飛行機をチャーターし、それにジョアン・ラポルタ会長以下のチーム幹部、カタルーニャ州知事やバルセロナ市長などのVIP、選手の家族などを乗せて決勝の地へと向かった。
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