【プレミアリーグ】チェルシーとマンUの「監督解任」は吉と出るか 22年ぶりVに邁進するアーセナルの落とし穴
プレミアリーグ後半戦・注目ポイント
【後編】ビッグクラブの勢力図変化
今シーズンの冬の移籍市場は、チェルシーから動いた。
開幕早々の1月1日、エンツォ・マレスカ監督が退陣。現場の意見をないがしろにされ、上層部主導のチーム創りに嫌気が差した末の結論だった。
その4日後、ルベン・アモリム監督がマンチェスター・ユナイテッドと袂(たもと)を分かつ。マレスカと同様、チーム強化に決定権を与えられなかった不満が爆発した。
マイケル・キャリックがオールド・トラッフォードに帰ってきた photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る それに対し、チェルシーの対応は素早かった。マレスカの退陣が既成事実であったかのように、提携クラブのストラスブール(フランス)からリアム・ロシニアーを早々に引き抜いてきた。
ロシニアーは30代でチャンピオンシップ(実質2部)のダービーやハル・シティを率いた経験を持つ41歳。初のプレミアリーグにしてビッククラブだが、臆することなくリーグ戦4連勝を果たす。チャンピオンズリーグのリーグフェーズ最終節でもナポリをアウェーで退け(3-2)、ノックアウトフェーズにストレートインしている。
ロシニアーは就任後、選手がミスを犯しても「起用した私に全責任がある」と公言。マレスカ解任で揺れ動いていたチェルシー選手の心に平穏をもたらしたという。
一方、マンチェスター・Uは例によってドタバタした。クラブの黄金期を支えたマイケル・キャリックを暫定ヘッドコーチに決定するまで、U-18のダレン・フレッチャー監督で2試合つないでいる。およそ4年ぶりの再任を強く希望していたオーレ・グンナー・スールシャールとも面談の機会を設けていた。サー・アレックス・ファーガソンが退任して13年、遅すぎる人事は一向に改善されていない。
しかしながら、キャリックは予想以上の好スタートを切ることに成功した。マンチェスター・シティを退け、アーセナルには逆転勝ち、次のフラム戦も後半アディショナルタイムのゴールで勝利し、続くトッテナム・ホットスパー戦も完封勝ちと無傷の4連勝だ。
キャリックは就任後、3バックよりも動きがわかりやすい4バックにシフトチェンジ。ライン間のスペースを狭くしたプランが奏功しているようだ。
チェルシーもマンチェスター・Uもタレントは揃っている。勝ち続けることによって自信が深まり、チームに一体感が出てくると後半戦は快進撃も考えられるだろう。今シーズンの優勝争いは、まだまだ終わっていない。
1 / 3
著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。






















