【欧州サッカー】ベッカムはヘアスタイルでも一世風靡 スーパースターながら常識人であり続けるサッカー界のアイコン
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第51回】デビッド・ベッカム(イングランド)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第51回は「貴公子」デビッド・ベッカムを取り上げる。2002年の日韓ワールドカップでは「ベッカムヘア」で大ブームを巻き起こし、日本でも世代を超えて老若男女に愛された。圧倒的なカリスマ性は引退後も色あせず、今もサッカー界のアイコンであり続ける。
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デビッド・ベッカム/1975年5月2日生まれ、イングランド・ロンドン出身 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 今から30年以上も前の話だ。記憶は都合よく書き換えられたり、消去されたりもしている。
複数のルートを用いて、マンチェスター・ユナイテッドの練習を見学できた。ただ、時間は全体練習終了後の15分程度に限定され、写真撮影はもちろん、メモをとることすら許されなかった。
逆サイドに並べられたコーンにめがけ、およそ60メートルのキックに磨きをかけている男がいた。百発百中。寸分の狂いもなく、次から次へとコーンを弾き飛ばしていく。
デビッド・ベッカムとの出会いは衝撃的だった。
いわゆる「ファーギーズ・フレッジリングス(アレックス・ファーガソンのひな鳥たち)」の一員だ。ライアン・ギグス、ポール・スコールズ、ニッキー・バット、ガリー・ネヴィルとともに、将来をおおいに嘱望されていた。
ベッカムが憧れたのはブライアン・ロブソンである。偉大なるキャプテンのシューズを磨き、すべてのシーンに全身全霊を捧げる姿に憧れた。ポジションの違い(ロブソンは中盤センター)こそあれ、ベッカムは常にロブソンを目指していた。
「ほんの少しだけ近づけたかな」
マンチェスター・Uのキャプテンを初めて務めた時、涙ぐんでいたベッカムの表情は少年のように清々しかった。
著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
























