サッカー日本代表は4年前の敗戦から学ぶことができるか クロアチア戦で明瞭だったその「弱点」
前回のカタールワールドカップから4年。当時と現在の森保ジャパンでは、何が変わり、何が変わっていないのか。過去のワールドカップの印象的な敗戦から見えてくるものがある。2022年カタールワールドカップ決勝トーナメント1回戦、クロアチア戦が示すものとは――。
2022年カタールワールドカップ。森保一監督が率いる日本代表は、グループリーグでドイツ、スペインを下して決勝トーナメントに進出し、クロアチアと戦っている。
結果は1-1のまま120分を戦ってもケリはつかなかった。その後のPK戦で日本は3人が外して敗れたことによって、「日常的にPK練習を採り入れるべき」などという的外れな意見も出た。
クロアチアとは確かに接戦だったが、勝負の趨勢はチーム力で決まっている。
前回ワールドカップのクロアチア戦に先発したイレブン。このうち8人が今回もメンバー入りしている photo by JMPA 前半の日本は、鎌田大地を筆頭にした能力の高い選手たちがうまくボールをつなぎ、クロスから惜しい場面も作っていた。前線の前田大然がひとつの範を示すように、猛然としたプレスで相手を追い込んで、相手に余裕を与えなかった。攻守ともに順調に見えた。
得点の気配も漂った。
40分、前田が前線でボールを収めてバックパス。それを受けた遠藤航がうまく相手をかわし、パスコースを作ってそこに流し込む。それを受けた鎌田大地が相手の逆を取って、GKの肩口のコースにシュートした。ボールはわずかにゴールを外れたが、それぞれが役割をこなし、スペースやタイミングを管理しており、必然としてゴールに近づいていた。
そして43分、堂安が左足でファーにクロスボールを送る。この直前にも同じような攻撃で相手を脅かし、ひとつの形になっていた。さらに際どくなったクロスの軌道により相手ディフェンスがうまく処理できず、こぼれたボールを抜け目なく前田が左足で押し込んだ。日本は堂々とぶつかり合い、前半終了間際に先制に成功した。
しかし、同時に嫌な予感も漂っていた。気持ち、魂を感じさせる戦いは、心身の消耗も甚大だった。90分間も同じ律動は続かなかったのである。
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著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。


