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サッカー日本代表は4年前の敗戦から学ぶことができるか クロアチア戦で明瞭だったその「弱点」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【3バック+ウイングバックへの固執】

 森保監督が信奉する3バック+ウイングバックという形は、守りに回ったときに陣形として歪みが出る。それぞれ高さが違うため、必然的にズレが生まれてしまう。そもそも4人でそれぞれのレーンを守るより、5人のほうが重なる部分は多く、人はいても綻びは出やすくなる。3バックでの攻撃的な運用は非常に難しく、だからこそ3バック+ウイングバックは世界で主流になっていないのである。

 森保ジャパンは今回の北中米ワールドカップも、3バック+ウイングバックで挑むのだろう。「攻撃的な布陣」という触れ込みだが、カタールの時と同じく、本質は守備的で、攻撃の選手に守備をさせているにすぎない。要は人海戦術で、カウンター一発が頼みの綱となる。

 現在、シャドーで使われている久保建英、伊東、ウイングバックでの起用が多い堂安律、中村敬斗は、本来はウイングに適性がある。ケガで選ばれなかった三笘も典型だ。日本には、1対1で勝って状況を打開できるジョーカーのような人材がこれだけいるのだが......。

 また、彼らはそれぞれ持ち味が違う。たとえば久保は単独ドリブルや切り込んでの左足シュートだけでなく、中盤の選手のようにプレーメイクできるし、縦に持ち込んでのクロスなど多彩さを武器にしている。そのコンビネーション力はラ・リーガでも屈指だ。また、伊東は右サイドを重戦車のように突っ切って、その強度によってクロスやシュートなどゴールに迫れる。中村はユーティリティな才能を持っているが、左サイドの高い位置にいることで勝負を決めるプレーができる選手だ。

 なぜ、彼らに守備を強いるウイングバックをやらせるのか。単純に考えれば4バックにして、右サイドは攻めに久保(もしくは堂安、伊東)、守りに菅原由勢、左サイドは攻めに中村、守りに冨安健洋(もしくは伊藤洋輝)と、所属クラブで担当してきたポジションと同じように使い、それぞれの持ち味を掛け算にすることのほうが理にかなっているはずなのだ。

 個人的には、大会直前の今でさえも、布陣に関しては再考の余地があると考えている。

 今回、過去のワールドカップの敗北の記憶を辿ってみると、掘り下げるほどに目の前の現実と、これから起ころうとしている未来と強く結びついていた。いかにして、過去の轍から学ぶことができるか。それを望みたいところだが、ほとんどの場合、歴史は同じ過ちを繰り返す。たとえ一歩の前進であっても、そこで手打ちにするしかないのだろう。

日本代表・史上最強の検証(1)『サッカー日本代表は「史上最強」なのかを検証 初めてのワールドカップで挑んだ3バックと何が違うか』はこちら>>

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日本代表・史上最強の検証(3)『サッカー日本代表は「史上最強」の戦い方をできるか 結果のみを追求した南アフリカ大会・岡田ジャパンとの類似点』はこちら>>

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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