バルサが観客動員記録を次々と更新。欧州の女子サッカーに革命が起きている (3ページ目)
スポンサーも熱い視線
トリノに集結したサポーターは朝から試合の始まる夜の7時までずっと歌い踊り、選手が宿泊するホテルの前にも大勢が詰めかけていた。選手たちはバルコニーから彼らに手を振り、感謝を伝えた。こんな光景はこれまで女子サッカーの周辺では見られなかった。バルセロナ対リヨンの試合は世界に、女子サッカーはもうかつてのマイナーなスポーツではないことをわからせてくれた。
試合開始は19時、リヨンのサポーターの数はバルセロナの10分の1ほどで、スタジアムの一角を占めるにすぎなかった。しかし、歓声を上げたのは彼らのほうだった。6分にはフランス代表アマンディーヌ・アンリの35メートルはあるシュートがゴールに突き刺さると、その後もエースのヘーゲルベルグ、アメリカ代表カタリナ・マカリオがゴールを決め、バルサのプテラスも1点を返したが、それに続くゴールはなかった。
「サポーターたちはシーズン中、ずっとチームの力となってくれた。トリノにも長時間かけて大勢が来てくれて、まるでカンプノウでプレーしていると同じように感じさせてくれた。タイトルを取ってそれに報いることができなかったのは残念でならない」
試合後、バルサの監督ジョナタン・ヒラルデスはそう言った。
ウィメンズCLで優勝したチームは合計140万ユーロ(約1億9000万円)の賞金をもらえる。2位のチームは70万ユーロ(約9500万円)だ。男子にはまだ遠く及ばないものの、この金額はどんどん上がっている。一方、チケットは10~20ユーロ(約1350~2700円)と安く、子供や家族への割引きもある。
バルセロナの中心のカタルーニャ広場では、市が巨大スクリーンを設置し、2500人ものサポーターが集まり観戦した。企業もこうした熱を見逃すはずがない。バルサ・フェメニのメインの胸スポンサーは、これまでアメリカ工具メーカー、スタンレーだったが、来季からは世界的音楽ストリーミングサービスのスポティファイに変わる。バルサ・フェメニは女子で初めて高額な金額をもらって胸スポンサーをつけるクラブとなる。
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