京都サンガ躍進の原動力「U-22トリオ」海外遠征でも存在感、首位奪取へ怪気炎 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 川森睦朗●撮影 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 その言葉どおり、続く第3節からは3連勝。その反転攻勢のきっかけとなったのが、右ウイングで起用されたレフティ、山田だった。

 連敗を喫した開幕からの2試合では出場機会がなく、「オレを使ったら勝てるのに」と忸怩たる思いを抱えていた山田は、第3節のFC東京戦で待ちに待った今季初先発初出場。

「オレが流れを変えるしかないと思いました」

 はたして、京都は2-0で今季初勝利。「悪い流れを断ちきれたのはよかった」と語る山田は以後、先発メンバーから外れることなく、3連勝に貢献し続けている。

「その勢いで、自分も(第4節の湘南ベルマーレ戦で)ゴールを決められて、チームとしても(第5節の横浜FC戦で4-1と)大量得点が取れた。最初試合に出られなくても腐らずにやってきたことが、こういう結果に出ていると思います」

 京都の救世主が、笑顔で続ける。

「それはもう、思ってますね。オレが流れを変えたって(笑)」

 今回のU-22代表のヨーロッパ遠征についても、「京都から3人も選ばれて、京都でやっていることは間違ってないなって再認識できたので、めちゃくちゃ自信になっています」と山田。

 川﨑同様、京都とのサッカーの違いを感じてはいるが、「京都で強度の高いサッカーをやっているから、こっち(代表)にきても対応できるんかな、っていうのは感じます。これからどんどんA代表とかにも絡んでいけるように、結果で示していきたい」と意気込む。

「(代表活動を重ねて)自分がどういう選手か、周りの選手からわかってもらえてきたので、あそこ(右サイドの高い位置)でボールを持つと、『山田ゾーンや』みたいなことを言ってもらえる(笑)。自分は他の人にはないシュートの質を持っていると思うので、そこで違いを見せていけたらなと思っています」

 実際、ドイツ戦では1点ビハインドの前半終了直前、得意の"山田ゾーン"で放ったカットインシュートがCKを呼び込み、そこから同点ゴールが生まれている。

「あのゾーンで仕事をするのが自分なんで。ドイツ戦はあのシュート1本しか打っていないですけど、それがCKになって、点につながったのはよかったです」

 また、続くベルギー戦でも、山田は途中交代からアディショナルタイムも含めてわずか8分程度プレーしたにすぎなかったが、「あの短い時間でもシュートを2本打てたのはポジティブなこと」と、手応えを口にした。

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