京都サンガ躍進の原動力「U-22トリオ」海外遠征でも存在感、首位奪取へ怪気炎 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 川森睦朗●撮影 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 だが、川﨑曰く、「代表はサイドで時間を作るところや、ボールを大切にするという面では、(縦に速い京都とは)ボランチの仕事も多少変わってくる」が、「自分の特徴であるボールを奪うところとか、ハードワークしてボールを奪ったあとに攻撃につなげるところ、前に出ていくところをなくしたら僕じゃない」。

 2-2で引き分けた強豪ドイツとの試合では、まさに有言実行のパフォーマンスを披露。誰より出足のいい守備で、劣勢の時間帯でもドイツの強力攻撃陣に対抗し続けたのは川﨑だった。

「僕はそこで勝負しているし、他の人より段違いに出足が速いぐらいじゃないと、自分の存在意義はない。どんなピッチだろうが、どんな流れだろうが、そこは絶対負けないっていうのは意識してやっています。

(ドイツ戦では)ずっと京都でやってきたよさが出せたかなと思いますし、自分のところで(相手の攻撃を)潰しきれば、絶対に流れは変えることができる。出足とかデュエルで負けないっていうのは、すごく意識して試合に臨みました」

 そんな力強い言葉を口にする新キャプテンは、次のような言葉で今季J1でのここまでの戦いを振り返る。

「開幕2試合は(連敗と)、本当に自分たちらしくない試合をしてしまったけれど、自分たちの原点に返るというか、"京都スタイル"というものについて、改めてみんなで曺(貴裁監督)さんと話したし、そういうところを出していくなかで徐々に勝てるようになりました」

 3連勝となった第5節の横浜FC戦(4-1)にしても、「先制はされましたけど、自分たちのスタイルでやっていればひっくり返せるっていう自信があったからこそ、逆転できたと思います」。

 キャプテンとして迎えた新シーズン、いきなりの開幕2連敗には、「ブーイングを受けたのも初めてでしたし、自分が先頭に立って(試合後のサポーターに)挨拶に行くのは、苦しい時間でした」。キャプテンであるがゆえの責任を「無意識に重く感じることもあった」という。

 しかし、「だからといって、自分のプレーから積極性が失われていたわけではなかった」と川﨑。「特に2試合目の名古屋グランパス戦は(敗れはしたが)、自分たちらしさが徐々に戻ってきていたので、これを続けていれば大丈夫だろうと思っていました」。

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