谷口彰悟、ひとり暮らしのススメ 「自由だからこそ、大学4年間の取り組みが、のちのち大きな差となった」 (4ページ目)
【誘惑に勝てず、練習に来なくなった人も...】
そんな大学生活で感じたのは、自立を求められ、与えられるからこそ、問われる自分への厳しさだった。
大学は授業も自分で選択して受けるように、勉強も、練習も、高校生までと比べる、強要される機会は圧倒的に少なくなる。チームでのトレーニング時間は決まっているものの、それ以外の時間をどう使おうが、自分の自由になる。それは、大人に一歩近づいたと思う一方で、自分次第でいかようにも変わると思った。
なかにはやはり、いわゆる誘惑に勝てず、自分に甘くなる人もいた。才能や能力があるにもかかわらず、授業で見かけなくなっていったり、練習に来なくなったりする人もいた。でも、大学ではそれで怒られたり、それについて諭されたりする機会は、高校までよりも圧倒的に少なくなる。だからこそ、自分に厳しくなければ、自分を見失ってしまうと思った。
自由だからこそ、この4年間の取り組みが、のちのち大きな差となって表れる。振り返ってみても、自分が大学の4年という時間をどう過ごし、どう使うっていくかをしっかりと考えて行動してきたから、今があると思っている。
なぜ、自分に厳しくいられたのか──。問われれば、明確な目標があったからだろう。
僕自身は、大学を経由してプロサッカー選手になるという目標があった。また、プロになれずとも、体育教員の資格を取ろうと考えていた。そのため、スポーツや体育をさまざまな視点から見て、勉強しようと考えた。プロになれたとしても、教員になったとしても、それに役立つ、活かせる授業を選択した。
また、授業の合間には筋トレをする時間を設け、個別にトレーニングするなど、一日をどう過ごすかという計画を立てて実行、行動した。
そこには、周りの友人たちの影響もある。寮の隣部屋は、赤﨑秀平(2023年現役引退)だった。彼は大学リーグで得点王になることを公言し、その目標を達成するなど、僕以上にしっかりとした目標を持ち、そこに向かって努力していた。
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