谷口彰悟、ひとり暮らしのススメ 「自由だからこそ、大学4年間の取り組みが、のちのち大きな差となった」 (5ページ目)
【環境は設備だけでなく「人」であること】
赤﨑だけではないが、そうした周りの環境、人にも恵まれていたように思う。同僚ではなく、友人と呼べる彼らに刺激を受け、切磋琢磨し合えたことで、自分も「もっとやらなければ」という思いをかき立てられた。
同時に、いかに環境が大切かも知った。大学には、高校以上にいろいろな人、いろいろな考えを持っている人が集まってくる。だが、それぞれがそれぞれの目標に向かって行動する集まりであれば、周りも引っ張られるし、影響も受ける。また自分がそうした存在になれれば、周りを引っ張り、影響を与えることもできる。
環境は、設備などのハード面だけでなく、「人」であることを、筑波大学で過ごした4年間で強く感じた。
そして、2014年に川崎フロンターレでプロになった時、自分が考えるその環境が人を造るということを、さらに知った。
◆第21回につづく>>
【profile】
谷口彰悟(たにぐち・しょうご)
1991年7月15日生まれ、熊本県熊本市出身。大津高→筑波大を経て2014年に川崎フロンターレに正式入団。高い守備能力でスタメンを奪取し、4度のリーグ優勝に貢献する。Jリーグベストイレブンにも4度選出。2015年6月のイラク戦で日本代表デビュー。カタールW杯スペイン戦では日本代表選手・最年長31歳139日でW杯初出場を果たす。2022年末、カタールのアル・ラーヤンSCに完全移籍。ポジション=DF。身長183cm、体重75kg。
著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。
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