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【箱根駅伝2026】創価大・榎木和貴監督「目標の3位(以内)を達成すれば、来季はその上を目指すところにいける」

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

創価大・榎木和貴監督インタビュー 後編創価大の榎木監督。昨年度のスーパーエース・吉田響(現・サンベルクス)が抜けた穴を、チームとしてどう埋めていくのか photo by Murakami Shogo創価大の榎木監督。昨年度のスーパーエース・吉田響(現・サンベルクス)が抜けた穴を、チームとしてどう埋めていくのか photo by Murakami Shogo

前編を読む>>>「5強」崩しに期待の"たたき上げ軍団"創価大・榎木和貴監督の育成、強化へのこだわり

 青山学院大、駒澤大、國學院大、中央大、早稲田大の「5強」とも言われる今季の箱根駅伝。その5強を崩すかもしれないという期待を抱かせるチームのひとつが創価大だ。チームを率いるのは就任7年目の榎木和貴監督(51歳)。全2回のインタビュー後編では、「3位(以内)」という目標に向けての現状、さらにレースの展望を聞いた。

【出雲駅伝では過去最高の3位に】

――吉田響(現・サンベルクス)という大エースが抜け、その穴をどう埋めていくのかが、今季のチームの大きなテーマとしてあったと思います。個々のレベルアップは必須ですが、その成長具合を推し量る春のトラックシーズン、創価大の選手たちは好結果を残しました。

「関東インカレ(2部)では青山学院大、駒澤大、國學院大が主力をそれほど投入していませんでしたが、それでもハーフマラソンで野沢(悠真・4年)が2位、山口(翔暉・2年)が3位に入り、スティーブン(・ムチーニ・3年)が5000m10000mで優勝するなど、選手の自信になりました。

 また、早い段階からハーフの経験も済ませておけば、秋以降の駅伝があって慌ただしい時期に、レースを走る必要がなくなるかなと考え、6月末に函館マラソン(ハーフ)を入れ、そこでスティーブンが優勝して、山口も自己ベスト(1時間0132秒)を出してくれました。全体的に余裕を持って強化ができたトラックシーズンだったと思います」

――当時、主力の強化、中間層の底上げが大きなテーマだとお話しされていましたが、そこは順調だったのでしょうか。

「小池(莉希・3年)は(吉田)響のレベルにならなければという思いでやっていましたし、ほかの主力選手もそのレベルを目指していたんですけど、私に言わせれば、全員が響になる必要はないんです。全体を底上げすることで、箱根で戦えるチームをつくっていこうと考えていました。

 その意味では、10月の出雲駅伝に出た織橋(巧・3年)、小池、スティーブン、石丸惇那(4年)、山口、野沢の6人は計算できる選手になれたのでよかった。一方で、そこに続く選手がもうひとつという課題は残りました」

――出雲駅伝では、その6人がピタリとハマって3位という好成績を残しました。

「この6人しかいないというところで、全員が区間5位以内で走り、総合3位という結果を残してくれたのでチームは盛り上がりました。ただ、その3週間後の全日本大学駅伝は、(全8区間の)あとふたりを誰がいくのかという話になった時、チームとして盛り上がってはいたんですけど、どこかみんな他人事でした。『自分がやるんだ』という覚悟ができていなかったですね」

 全日本は、出雲の6人組に加え、駅伝初出場のふたりが走った。5区の衣川勇太(1年)は区間6位、6区の榎木凜太朗(2年)は区間10位で、チームは総合7位に終わった。

――初出場組のふたりは、レース前の状態がよかったのですか。

「衣川も凜太朗も部内タイムトライアル(5000m)がよかったんです。ただ、チーム全体を見ると、ギリギリで8人をそろえたという感じだったので、もう少し部内の競争力を高めたうえで選んだ8人だったら、凜太朗のブレーキもなかったでしょう。

 全日本に出ずにハーフの調整をしていた選手もいたなかで迎えたレースだったので、5位なら上出来、3位なら出来すぎで、むしろみんな慢心してしまうと危惧していました。その意味では、7位に終わり、箱根に向けてピリッとした雰囲気になれてよかったと思うようにしています」

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著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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