【箱根駅伝2026】創価大・榎木和貴監督「目標の3位(以内)を達成すれば、来季はその上を目指すところにいける」 (2ページ目)
【全日本で出た課題をどう克服するか】
――優勝した駒澤大とは5分余りの差がありました。
「そこですよね。その差を埋めていかないといけない。全日本で言えば、つなぎ区間の5区、6区、7区で4分半くらいの差が開いているので、そこをなんとか各自1分以内に抑えればと思うんです。アンカーの山口は、(その1週間後の)世田谷246ハーフマラソンでの走り(1時間1分46秒で優勝)を見れば、最初から攻めさせればよかったです」
――トラックシーズンは好調だったムチーニ選手も、もうひとつでした。
「彼は出雲、全日本ともに不発でしたね。夏にケニアに帰ったんですけど、昨年は現地でしっかり走ってきたんですよ。今年は2週間くらい長めに帰っていたんですけど、少しゆるんだみたいです。日本に戻って練習を見た時、こちらが求めている質と量が全然足りていなかった。昨年は戻ってきてすぐの合宿で5000m×4本をやって、ラスト1本を13分40秒ちょっとで走り、これは強いなと思ったんですけど、今年はそういう驚異的な走りができていません。
ただ、(11月22日の)八王子ロングディスタンスの10000mでは27分50秒前後で走るという話をしていて、実際に27分34秒で走れたので、これをきっかけに上がってくるでしょう」
ケガなどで離脱していた選手たちも復調しつつある。本来、主力のひとりである黒木陽向(4年)は夏に仙骨の疲労骨折が判明し、練習復帰を果たしたあとも胃腸炎などで苦しんだが、世田谷ハーフで1時間03分24秒とようやくスタートラインに戻ってきた。また、昨年の箱根で1区を走った齊藤大空(3年)も故障のため離脱していたが、11月16日の上尾シティハーフマラソンで1時間03分19秒の自己ベストをマークするなど調子を上げている。
――故障者が戻ってきたのは明るい材料ですね。
「そうですね。黒木は世田谷ハーフで1時間03分台にまとめてくれました。齊藤は上尾ハーフで試運転として1km3分ペースを達成できたので、箱根までにはもっと状態が上がってくるはず。このふたりと全日本を走った衣川と凜太朗、あとは世田谷ハーフで1時間03分18秒の自己ベストを出した(石丸)修那(2年)、上尾ハーフで5km15分ペースを維持できた藤田(圭悟・1年)などの6、7人で、箱根の8区、9区、10区を争うことになるでしょう」
――箱根に特化した練習も進めていますか。
「往路(候補)組と復路(候補)組に分け、例えば復路組は1km3分ペースの単独走で押していっても崩れないように、ハーフの距離で強みを持てる練習をしています。泥臭い、きつい練習をして、ようやく15、6人はハーフを1時間3分以内で走るためのメニューをこなせるようになってきたので、もう少し上げていけば箱根でも戦えるはずです。最後の3区間を"仕方なく埋めた"となるのではなく、激しい部内競争のなか、自分の力で勝ち取ってほしいですね」
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